『下がりたまえ、興味ない』



そう言い、革ソファーに座り、床で土下座する男たちを見下すかやり

俺は溜息を吐き、痛む胃を抑える



『ボクに合った内容じゃない。第一興味が沸かない』

「あ、貴方しか頼れる方がいないんです、砕白殿!」

『下がりたまえ。ボクの気は長くはないんだ』

「すまねぇが、コイツは一度言ったら聞かねぇんだ」

『政宗君、人聞きの悪い言い方だね。それではボクが辺り構わず拒否しているようではないか』



その意味を含めて言ったんだがな

男たちは立ち上がり、悔しそうにドアへと向かって行った



「また、後日来ます」

『来なくていいよ。何度来ようが、断るんだから』

「一応連絡先だけ」

『………政宗君、受け取って』

「わぁったよ」



わら半紙の紙には男たちの親玉と思われる者の名があった


代表取締役 真田幸村
社長補佐役 猿飛佐助


その名は、



「かやり」

『なんだい?』

「懐かしい名前だ」

『………ああ、いたねぇ、そんな人。記憶の片隅で生きていたよ』



中高と同期だった真田と猿飛

かやりは料理上手な猿飛によく懐いていた

飯目当てでだが



『で?』

「そいつらからの依頼だ」

『…………昔馴染みの依頼だ。ボクは引き受けよう』



今までの借りも、返したいしね


そう言い、手元にあったチョコレートを摘み口に運ぶ

カリッ、と砕く音が耳に届いた



『さあ、宴の始まりだよ』



部屋の中は、甘ったるい香りで侵されていた



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BADパロ
霊能じゃなくて普通の探偵
BAD知らなくても読める風に


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