廊下で、誰かとぶつかった
「っと、sorry」
『不注意でしたわ、すいません、伊達君?』
秋雨独
私は「前世」で伊達君の正室で
否、元正室で
正室を止めたあと、半兵衛殿の正室になり
そして、どうなったんだか
「ねぇ」
『はい?』
「私の彼氏に、手ぇ出さないでよ、ブス」
この女は今のシーンを見ていなかったのだろうか
ただ肩と肩がぶつかっただけ
手を出す?笑わせないでほしい
あんな男、頼まれたって欲しくない
「元カノだか何だか知らないけど、政宗はあんたなんて捨てたのよ」
『それで構いませんわ。私にも、今現在彼氏がいるので』
「あぁ、石田だっけ?あんなイケメン、あんたがよく捕まえられたわね?なに、金でも使ったの?あんたの家、資産家だもんねぇ?」
よくまぁそんな長文を喋る気になれるものだ
私にはそんな勇気もやる気もない
『いくら言っても構いませんが。あまりすぎると…………』
ヒュンッ
私の顔の横を木刀が過ぎる
それは、女の頬を裂いた
「人の女にどんな暴言を吐いたんだ?」
『ふふっ。気になどしていません、三成』
「貴様が気にせずとも、私は気にする」
「っ!?石田ぁ!あんた、なに私の顔傷付けてくれてんのよ!政宗に会わす顔がないじゃないのよ!」
「黙れ塵虫。下劣な分際で、私と独に話かけるな」
会わす顔がない、ねぇ
元より醜い面が血で多少は、まともになったじゃないか
「石田の御曹司だか、秋雨の令嬢だか知らないけど!政宗の家に言ってやるんだから!」
『勝手にしてください。私も、父上に莫大な借りがある射伝家が、秋雨に喧嘩を売った、と報告いたしますので』
事実を伝えるのだから
私は何も悪いことなどしない
「独、行くぞ」
『はい。では、失礼しますね、射伝いみなさん?』
私はスカートを翻し、三成のあとを追う
前世でも、来世でも、やっていることは、同じね
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「リフレイン」の続編
お相手は最近熱の入ってる三成
リフレイン完結と長編一つ完結後に設置予定
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