くぁぁ、と気だるそうに欠伸をする美女

金髪に赤と黒の碧眼

男の目を引きそうな豊満な身体

彼女、指折壱刃は退屈だった


世界は突然逆さにはならないし
世界は突然自分を殺そうとはしない



『つまらんのう……………』



いつもどおりの片耳から入ってくる罵声と殴る音

それを我関せずと壱刃は見ている



『毎日毎日飽きもせずようやるわ………』



ジッと中心の人物、伊達政宗を見つめる

殴られても蹴られても物ともせず、ただひたすらに耐えている


壱刃は近くの机に座り見ているだけの女に退屈そうに問いかけた



『のう、紀代。主はいつもこのようなこと、飽きはせんのか?』

「え〜?なんのことか、歩穂分かんなぁい」

『惚けるでないわ。朕にそのような戯言は通用せん』

「だってぇ、歩穂は知らないもんっ」

『そうか、貴様はあくまで被害者か。ならば朕は加害者となろうぞ』



席を立ち政宗に近付く

淡く微笑みかけ、手を差し伸べる



『掴め、小僧。朕は退屈が嫌いじゃ。主に加勢すれば凌ぎにはなるやもしれん』

「Ah?何わけの分かんねぇこと言ってんだ」

『分からぬか?朕は主の味方になってやると言うておるのじゃ』

「ちょ。ちょーっと」



二人の間に割って入ったのは猿飛佐助

鋭い眼光で二人を交互に睨みつける



「ちょっとちょっと、壱刃ちゃん?なーんで竜の旦那なんかに」

『聞いておらんかったか?朕は退屈が嫌いなのじゃ』

「それはいいとして、竜の旦那が歩穂ちゃんに何したか知らないわけじゃないでしょ?」

『知らんぞ?興味ないからの』

「竜の旦那は純情無垢な歩穂ちゃんを襲ったの」

『ほう、紀代をか。小僧、お主度胸があるの。気に入ったぞ気に入ったぞ』



カラカラと笑い、倒れている政宗の身体を起こし、米俵のように肩に担ぐ

政宗は女子にこんなことをされた試しがないのか

耳まで真っ赤に染めた



「なっ………てめっ、下ろせ!」

『さて皆の衆。朕と鬼事をしようではないか。朕を捕まえたら、小僧をやる』

「はっ!?ちょ、指折さん!?」

「待てよ、指折!」

『開始じゃ』



ニィっと口許を歪ませ、壱刃は廊下へと姿を消した




―――――――――――――
久しぶりに嫌われ書いた
古臭い口調は趣味です←
楽しかったよー


prev top next
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -