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 ベルトルトに溺れる

「……っ、ふ…」


人目を偲んだ薄暗い一室で、私は彼の顔を見ながら唇を窄める。
舌を這わせて上下してやれば息を詰まらせて声を押し殺そうとする彼がたまらなく愛しい。
もっと艶っぽい彼の顔が見たくて、口の中で膨張するそれを吸う。


「ひっ…ぁ、っ…!」


今にも泣いてしまいそうな声で彼が私の名前を呼ぶ。
頃合を見計らって彼のを握ったまま口を放す。


「気持ちいい?」


そう聞くとコクコクと頷いてみせる。
快感で潤んだ目と合う。
熱情を孕んだ彼の深い色の瞳はとても好き。


「ね…、もっと…」
「んっ……」


せがまれて再びそれに口付ける。
すると今まで口を抑えていた彼の手が私の髪を掴んだ。
私の舌が彼の好きな所を掠めると、強い力で抑えられる。


「ぁっ…そこ……っ、」


ノリ気になってきた彼が腰を少し浮かせる。
限界が近いのが伝わって更に深くまで彼を呑み込むと、ベルトルトが苦しそうに息を吐き出して口の中で熱を放った。
チラリとベルトルトを見れば、上気した頬で彼も私を見ていた。
荒い息のまま微笑まれる。


「飲んで…?」


そう言って頬を撫でられる。
私の喉が動くと、まだ口に入ったままの彼のモノがゆっくりと抜かれた。
頬の指が唇に移動して口を開かされる。


「ちゃんと飲んだね…いい子だ」
「っ…ベルトルト……」


行為をする時いつも最初は恥ずかしそうにしている彼だが、スイッチが入ると豹変する。
付き合って当初の頃は驚いたけれど、私はどちらのベルトルトも好き。


「今度は僕がするね」


そう言うと彼に腰を抱かれて体を引かれる。
すると彼が上体を寝かせた。
私が首を傾げると下着を脱ぐ様に言われてスカートを捲って言われた通りにする。


「そのままこっちに来て」
「ぇ……っ」


彼がおいでおいでと手招きするが、私は身じろぎして動けない。
だってそこって…


「だって…ベルトルトの顔、跨いじゃうよ…?」
「うん、おいで」


事も無げに肯定されてしまったので、恥ずかしいのを我慢して彼の元まで進む。
秘部に彼の息が掛かってくすぐったいやら恥ずかしいやらで顔を背けると下から制止の声。


「ダメ。見てて」
「…っ、は…い……」


彼にそう言われてしまったら、もう私はそうしてしまうしかない。
恥ずかしいのに下腹部がきゅんと勝手に反応してしまう。


「もうこんなに濡れてる」
「、ご…めんなさい……」
「いやらしいね」
「……っ」


ぬめりとした彼の舌が這う。
ゾクリと広がる甘い痺れに、スカートを落としてしまわないように捲り上げている指に力をいれた。
瞑ってしまいたくなるのを我慢しながら、真下のベルトルトを見つめる。
彼は私の顔を見たまま舌を動かしていて、私の反応を見ながら責めてくる。
隠すのを許されないことが恥ずかしいのに、私は更に興奮してしまう。


「あ、っ…ぅ…」
「また溢れてきた…」
「だってこんな……はぁ…っ…恥ずかしい…」
「…恥ずかしいのに感じてるの?」


そう言いながら彼が私の秘豆をしゃぶる。
強い快感に腰を浮かせようとすると大きな手に腰を押さえられてしまった。


「ひ、ぁっ…そこ…ダメぇ…っ」
「……」


喉を反らすと下を向けというように体を揺さぶられる。
その間も続く愛撫に私の瞳から涙が溢れた。
頭の芯から溶かされてしまいそうな刺激に身を捩りたくても、彼はそれを許してくれない。


「やぁあっ…ベルトルト…っ!……あ、あぁっ!」


強く吸われたまま舌先で擦られて、呆気なく絶頂を迎えてしまう。
荒い呼吸を繰り返していると、体がふわりと浮いた。
抱きかかえられたと気づく頃にはもう横たえられていて、ベルトルトに組み敷かれていた。


「イく時はちゃんと言わなきゃダメだよ」
「ぁ…ごめんなさ…」


まだ熱の篭った瞳のまま私の顔にはりついた髪を彼の指が退ける。
それだけなのに私の体にまたゾクリと快感が走る。


「いい子だから、次からできるよね」
「はい…」


頷いて返事をすると頭を撫でられる。
同時に下腹部に熱を感じた。
呼吸を整える間もないそれに言葉を発しようとしたが、その時にはもう喘ぎ声に変わってしまった。
ギシリと台にしている木箱が軋む中、彼が艶っぽく笑う。
その顔に、声に責められたくて。
主導権を握られるその瞬間がたまらなくて。
私はまた彼に溺れてしまうんだ。

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