「フラン」
「はい」
「いい加減、手を離してくれない?」
「嫌って言ったら?」
「抵抗するまでだけど」
「またアンタ、ボスの所に行くんでしょー?」
「うん。呼ばれたから」
「今日めちゃめちゃ機嫌悪いんで殺されますよー」
「いや俺の方が断然強いし」
「うわすっげえ自信」
「事実」
「とにかく今日は行かないで下さいよー」
「もう、フランは俺と変わらない歳なんだからそう駄々をこねないで」
「たった何歳かの差ですー」
「また屁理屈言って」
「行かないでー」
「何で」
「何となく」
「…」
「…」
「ていうかもう超直感でわかってるんでしょー?」
「まあね」
「予定狂うー」
「他に言うことはないの?」
「…誕生日おめでとうございますー」
「うん。ありがとう、フラン」
「日本の時差に合わせて言ったのも気付きました?」
「うん」
「何でもお見通しですかー」
「フランが祝ってくれるとは思わなかったんだけどね」
「お世話になってますから」
「そうだっけ」
「夜の…」
「……」
「ごめんなさい嘘です怒らないで下さーい」
「はあ…ザンザス待たせてるからもう行くよ」
「はい、我が儘に付き合ってくださってどうもありがとうございましたー」
「じゃ、またね」
「はい。(もう一人の、ボス。)」

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