「髪‥、桔梗とおそろいだね」
「‥え、あ、はい。そういえば」

彼女に興味を抱いたのかは自分でも理解し難い事実だと考えたけど視界に入った着眼点を音にして伝える手段を実現しただけのことで、それは奇妙に彼女に対して口が開いたことに彼女も呼応しなければいけないが、僕等の関係性では信憑性が欠けない言葉はとても少ないと自負する。

きみの髪に飾りの一つでもすればそれはアクセントとなってきっと白い首が映えてきれいに映るだろうけど、こういう台詞は桔梗とか白蘭さまだとかが言える、まるで特等席みたいなものだから、僕は容易に言葉並べは出来なくて少し気持ちが沈んだ。何時の時代も恋しい人は存在するものだときみの恋人が言ってたけど、今なら少しだけわかるような気がした。


110106
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