物事が順調に進む中、あの人は僕に対してひどく物腰が柔らかく、薄い瞼と細めた瞳で見つめてきた。ちょうどいい程度に鬱病に掛かってしまいそうだった。たまに諦めかけたようにへら、と笑う貴方は少しだけ臆病で、馬鹿の様。

おまえの肉を食べてみたい、と貴方は言った。瞳に憂いを帯びませ、膝上に置かれた優しい手は少しだけ震えていた。本気で僕の肉を食べてみたかったらしいと分かるには充分だった。貴方の肉を目の前に置かれたなら、僕は食する事が出来るのか。否、貴方の血肉だと僕は間違いなく分かるだろうか。僕達の愛の比を計るにはいつも其れが都合良く頭の中に飛び散った。僕にはまだ早いのか。子供だと言うのか。馬鹿だと言うのか。貴方の様に。例えば貴方の骨はきっと丈夫で強いから歯に当たるとごりごりと音がしてすごく痛いのでしょうねなんて口に出せたなら。震える貴方の手をとってにこりと笑えたなら。

アップルティーを良く好む僕に対して悪態を付かれるかもしれないが今日は少し刺激が含まれるレモネードを要求したい。ぐちゃぐちゃに皺がある脳みそがもっとぐちゃぐちゃになりそうだ。そういえば貴方は紅茶が好きだったろうか。レモネードは。ちなみに僕はレモネードはあまり好きでは無い事も言おう。風の匂いを拾いながら屋上へと向かった。自分の足音が耳に張り付く。貴方に伝える為に。今日も忘れず深呼吸。
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