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悪魔は甘美な罠を張る - 7



痛む体を丸めて目を覚ます。瞬間、俺の中を犯すなにかが、怒張が熱を放つ。
寝ぼけ眼で開いた視界で、こちらを見下ろす瀧本が笑った。悪魔が笑った。


「起きた瞬間締めやがって、もっと欲しいのかよ」

「……たき、もと……」


瀧本越しに見知らぬ天井が映る。ここは、どこだ。ずるり、抜けた瞬間、自分の中から溢れる液体の匂いが鼻につく。いや、部屋中がその匂いで吐きそうだ。


「ははは、すっげー出てくる。ちょーエロい」

「……なんで、」

「なんで? そればっかだな、お前」


溢れる液体を指で押し戻しながら、覚えのない快楽のありかを突かれる。ひっ、と口から漏れた声を耳にした瀧本は、カラカラと笑いながら俺の喉仏に噛みついた。


「んっ……はっ、なんでだと思う?」

「しら、ないっ」

「ははっ、泣いてるよ。あー、興奮する……っ」


訳が分からない。突然現れた瀧本に犯されて、一緒にいた女性二人に跨れて、前も後ろも口も手も、すべて良いように扱われ、吐き出され、注がれて、自分の体がもう自分のものじゃあない。

ぼろぼろと泣きだす俺の涙を舐めとり、まつ毛を唇で銜えこむ瀧本がゆったりと離れる。


「お前を苛めてた奴らのさ、仲間がバイト先の同僚だって知らねーだろ?」

「……え、」

「バイトだけじゃねぇ。通信制の高校にだっていたんだよ。今か今か、お前を苛める算段を組んでやがった」

「……なに、言って」

「だからほら、守ってやっただろ?」


な? 笑う瀧本の異常さに体が震えはじめた。得体の知れない、腹の底が見えない。これは、なんだ。


「守ってやったらその報酬を貰う。常識だろ?」

「……意味、分かんない。お前、なんなの……、なにが、したいの……っ」

「またそれかよ、馬鹿の一つ覚えじゃねーんだし、この足りねぇ頭でちったぁ考えろよ堀田ぁ」


チッ、と舌打ちする瀧本に、俺はついに子供のようにわぁわぁと泣きだしてしまった。




 


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