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南雲をお呼びでしょうか - 4



これには親衛隊の方々も大変気を悪くし、宣言されたにも関わらず、重森さまに制裁を行おうと躍起になった。しかし一度目の制裁が露見し、一部の生徒は退学処分を受けてしまうが、いち早く神宮司さまが手を回し、いくぶん軽くなった処分が下された。

それからというもの、親衛隊の方々はその怒りの矛先を重森さまではなく、重森さまがいつも連れている特待生のご友人に向けることとなる。

とはいえそれらは同僚や上司たちから聞き及んだ噂であり、事の真相は僕などには分からないのだけれど、それでも確かに分かることはある。
それは、生徒会や各委員会が機能しなくなり、一切の仕事を投げ出した生徒会でただ一人、今も責務を果たす神宮司さまがいる、ということだ。

以前ならば先ほどのようにシェフの料理に評価をつけ、僕のまだまだ不出来な仕事を指導し、それでも成長を見守ってくれていた彼は、今や料理を楽しむ時間はなく、軽食ばかりを口にしてはしてはすぐ生徒会室に篭ってしまうのだ。しかしそれもまだ良いほうで、こうして食堂に足を運ぶのはつい二週間ぶりなのである。

一般生徒の立ち入りを禁止された生徒会室に食事を運んでいたのは、なぜか名指しされた僕ではあったが、神宮司さまの親衛隊である方々にお願いされ、できるだけ食堂で食事をとるようにお願いしたのが正に一昨日のことであった。


「南雲ちゃん南雲ちゃん、大変大変!」

「どうかしましたか?」


同僚の一人がぱたぱたと駆け寄ってきた。彼は食器類を片していた僕の腕を掴むと、ホールを覗ける場所からこっそり頭を出す。南雲ちゃんも、ほら! と言われ、よく分からないままに同じ動作をしてみると、先ほどの特別席にて、重森さまと神宮司さまの親衛隊である方々が口喧嘩をされていたのである。




 


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