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食らわば皿まで - 11



*諏訪side**


特定の女を作らない、誰でも簡単に抱いちゃう皆の諏訪くん。それが周りの俺への認知らしい。
否定はしない。抱いてと言われりゃ誰でも抱くし、なにも言わずに金を払う年上の女までいる始末。そのうち夜道で背中でも刺されて死ぬかもな、俺。


「んっ、あぁ……っ!」

「声でけーよ、誰かに見つかってもいーわけ?」

「だっ、てぇ……っ!」


むっちりした女教員が望むがまま抱いたあと、欠伸交じりに帰路につく俺の耳に届いたのは、ここ最近少しばかり気に入っていた女の声。なにが気に入っていたかと言えば、尻の形と淫乱なところ。
だからまぁ、そんな淫乱女がどこで誰を咥えこもうと正直どうでもいい。まぁ一生抱くことはないだろうけれど。

ただこのときの俺は、なんとなーくイラついて、生臭い声で喘ぐ女がいるだろう空き教室の扉を開けてみた。


「きゃっ!? ……え、あ、嘘、す、諏訪……くん……?」

「だから声でけーって言ったじゃん」


予想するまでもなくまぐわっていた男女は両方とも見覚えがあった。女の方はセフレの一人、男の方はなにかと話題に持ち上げられる浜津という野郎だった。
浜津はこの状況にも物怖じせず、自分の上で先ほどまで腰を振っていた女を退け、乱れた服を直しながらこちらへ歩いてくる。


「言っとくけど誘ってきたのはあっちだから。じゃーね、皆の諏訪くん」


俺もそうだが、こいつもいつか背中から刺されて死ぬんじゃねーか?

などと他人の心配をする振りは止めて、ガタガタ震えるセフレの元へ歩み寄る。女の顔は涙に濡れているが、俺の顔は今そんなに怖いのだろうか。


「そんなに好きなら今度回してやるよ。嬉しいだろ?」


なんて。思ってもいないし、端からやる気もない嘘をつく。女は更に震えていたが、もうどうでもいいよ、お前。




 


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