Funny
とりあえず、私は当初の約束……?通り、二人と勉強会をすることにした。
ただ、さすがに二人の部屋でやるのは蕁麻疹で死にそうになる発作が起こるので、往来の場でもある談話室でお願いした。
パーティ一色なので、夜遅くまで人の行き来は無いと思うが。
「じゃ、何勉強する?」
マルシベールが言う。
何もしたくない。寧ろ成績下がりそう。
「……折角のパーティーの日だし、勉強より二人のこと知りたい」
「……俺らの?」
「友達……………………?なんでしょ?」
「それもそうだねぇ……あ、じゃあその前に。友達の僕達もハルカに聞きたいことがあるんだ。先に聞いていい?」
駄目って言っても意味ないんだろうなぁ。
「駄目」
「ありがとう。えっとね、」
やっぱりね。
「ブラック家……レギュラスの婚約を受け入れないのは何で?」
…………やっぱりね。
「#名字#家は結婚に関して親の干渉が無い。と、言うことはだ。他に──いるのか?お前が、婚約したいと思っている奴」
さて。
なんて答えよう。
エイブリーの声はいつにも増して低い。
正直に言えば答えはノーだ。まだそこまで考えていないし、考えられない。
けどそう答えてしまうと、何だか嫌な方向に持っていかれそうなので、ここはやっぱり当たり障りのない答えを選びたい。
でも他にいます、なんて答えれば、それこそ問い詰められてその人を殺しに行くくらいはしそうだ。
いっそお兄ちゃん、もしくはお父さんって言うか?
これ……何言っても詰みでは……?
……素直にいこう。
「……答えはノー。まだそこまで考えてないし考えられない」
「へえ……」
二人の目がすぅ、と細くなった。
「どうやったら考えられるんだ?」
「どう、って……、……そりゃ、良いなあとか、かっこいいなあ、って気になる人ができたり……もう少し大人になったら……」
「成程。じゃあ、俺達でいいな」
……?
…………?
なんて??
「そうだね、確かに」
……?
……??
今の言葉のどこに賛同できる要素が……?
…………っていうか、そもそも
「二人は……私とけ、け、け、結婚したいの?」
私の頼りない問いに、二人は珍しく考え込む。
「そう、だな……結婚したいというか……」
「僕達だけのものにしたい、というか……」
まだまだ考える。
「結婚……結婚か……でも子供ができれば、ハルカは僕達だけのものじゃなくなるし……」
「でも子供作っちまえば、一生俺達から逃げられないしな……」
考える。
「……僕、分かったかも」
「……俺も」
答えが出たようだ。
「「ハルカが好き(だ)」」
………………………………まあ、知ってたよね。
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