Immature


オードトワード家は、聖28一族である。
しかし純血主義かと問われれば、決してそうではない。
放任主義とも呼べるオードトワード家では、自分で自分の思考を持つことが許されているため、純血主義のオードトワードもいれば、そうでないオードトワードもいる。
よって、半純血のオードトワードもいるし、純血が続いている#名字#もいる。

じゃあ何故聖28一族に入っているのか。
理由は簡単、全世界にオードトワード家は存在するからだ。
自分で自分の思考を持つことが許されたオードトワードの中には、国際結婚を成す者も多くいた。
イギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、ウガンダ、 ブラジル、デンマーク、ルーマニア、そして日本。
私、ナタネオードトワードは、オードトワード家長男のイギリス人の父と、日本人の母の間に産まれた長女である。
一個上に兄がいるが、兄はマホウトコロに通っている。6年生だ。そして私はホグワーツに通っている。5年生だ。

そんな兄にはもう許嫁がいる。兄は別に純血主義ではないが、お相手は日本の名家であり、純血であるが、純血主義ではない家の長女。

私はというと。


「シリウスと昨日一緒に寝ちゃった!」

「えー!いいないいな、どんな流れで!?」

「えっとねー……」


私は純血主義ではないが、相手はイギリスきっての名家であり、純血主義を謳っている、女好きのブラック家長男のシリウスが許嫁だ。
シリウス自身は純血主義を寧ろ嫌っているため、不都合はない。

ただ、当の本人は家に決められた相手である私と結婚するのが嫌なのか、女好きが過ぎるのか、私が嫌なのか(多分絶対これ)、「卒業するまで恋人は作るし女と遊ぶからな」「俺とお前許嫁なのは皆に広めんなよ」と言っていた。

別にどうぞご勝手に案件なのだが、そこまでしたいなら何故婚約を結んだのか。

父の話だと、ブラック家から話が持ち出されたらしい。
ブラック家はあまりいい噂が無いのだが、如何せん父は純血主義者だ。イギリスきっての名家であるブラック家、それも長男からの声掛けとなると、それはもう張り切って私に報告してくれた。
ブラック家も、日本に勢力を伸ばしたかったのか知らないが、なんで私に……と10000000回は思った。
けどシリウスのことは弟のレギュラスから色々と聞いていたので、まあ悪い奴では無さそうだし、父も喜びそうだし、楽できそうだし、いっか。ということで私は快諾した。

ちなみに私はスリザリンである。

こうして冷静に考えれば考える程、何故シリウスが私を選んだのか分からない。
まあ、分かったところで


「シリウスに新しい彼女出来たって噂よ!」

「えーっ、次はどこのどいつ!?」

「レイブンクローの6年ターナーよ。ヘレナ・ターナー」

「ターナー……悔しいけど、顔もスタイルも、頭脳も負けね……」


どうにかなるわけじゃないんだけどね。
……ていうかターナーって、私と正反対の子じゃん。



- 1 -


[*prev] | [next#]


[prev]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -