転生パロ、利吉→高3 土井→教育実習生









「土井です」

高校3年、相変わらずの優秀な生徒であった俺は、全く興味を持てなかった教育実習の、そのうち1人の声に顔をあげた。
他の実習生と特に変わったことはないのにどうしても引きつけられて目が離せなくなる。
もてあそんでいたシャープペンシルをおいて自己紹介を聞き入っていた。
窓側の席の俺は本来ならこんな話聞かないで平気で運動場をみていたりするハズなのに、全くどうかしている。



教育実習生の待機教室には、その男しかいなかったのでしめたとばかりに引き戸を引いた。
「土井先生。」
声をかけると、後ろを向いていた男はしばらく動かなかったが、小さく、あ、俺か、と言ったのに少し笑いそうになった。
教育実習生が、振り返って、俺をみてにっこり笑う。
「あぁ、利吉君。どうしたの」「質問よろしいですか」
質問も何も、俺は先生授業を受けていないのだが、何の教科を教えているかはもう調べたし、ここへきてまだ何日もたっていないから、教えてる生徒の顔だってわからないはずだ。
「構わないよ、やっぱりわかりにくかったかな」
そう言って恥ずかしそうに笑った土井先生に、なにも考えてなかった私は一瞬詰まって、それから用意した質問を口にする。
後から考えれば、先生はまだ名乗ってもいない私のことをすっと呼んでいて、その後あれ?と首を傾げていたのだが、なんとかしたくて必死だった私はどこかでお会いしませんでしたかと一体何世紀前の口説き方だと思われそうな事しか思い付かないこの貧相な語彙力に、女装癖がある実の親父をやいやい言えないな、とがっかりしていたのだった。


全く、どうかしている!














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気付かないうちに一人称や先生の呼び方が変わっている利吉に萌えると思ったんだけど…あれ?
あと先生の歳だと別に教育実習生じゃなくても良かった…


宮上




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