四年 現パロ(高校生っぽい)




放課後は四人で

放課後、三木ヱ門のクラスに集まって、あーでもないこーでもないと三人で話していると、めっそりした、タカ丸が職員室から帰ってきた。
それに気がついた三木ヱ門が手を挙げた。
「タカ丸さーん」
「三木くん…」
唇を尖らせてしょんぼりしながら、三人の座っている机に向かってきた。
滝夜叉丸が長い横髪をを揺らしてタカ丸の分のいすを引く。
綾部は一心不乱に持ち寄ったスナック菓子をもりもり食べている。
「あぁ、タカ丸さん。何を言われたんですか?」
「うんー、聞いてよー三人とも…俺、今年単位足りなかったら自主退学しろって言われたぁー」
めそめそしながら言うのに、えぇーと三木ヱ門が顔をゆがめると、むぉっと小さい叫び声をあげた綾部がゴホゴホとむせた。
それに、あーもー水飲め、と滝夜叉丸が水を差し出し、タカ丸に向かい合った。
「タカ丸さん…二年目も留年してるんですものねぇ…」
「そうなんだよぉ…俺まだ高校生活堪能してないのにぃ」
「二年も留年してまだ足りないんですか…」
口を開けてちょっと引いた三木ヱ門に、引かないでよ三木くん、とめそめそしたタカ丸が机にふにゃりとくっついた。
口のなかに菓子をめいいっぱい詰め込んだ綾部が何かをしゃべろうとする。滝夜叉丸があからさまにあきれた声を出した。
「ふぁかまりゅふぁん、ふぇいふぇきわるいふぇすぼんへ」
「喜八郎…何を言っているかわからないぞ、飲み込んでからしゃべれ」
「そうなんだよー、でも今年はそういうわけにもいかないんだー」
「なんで通じてるんですか、つかなんて言ってたんですか綾部は」
「えー?」
「タカ丸さん、成績悪いですもんねーって言ったんだよ、三木」
「お前はまた露骨だな…」
飲み込んで言い直した綾部に、三木ヱ門はがっかり肩を落とした。
タカ丸はあははーと困って笑い、笑っている場合ですかと滝夜叉丸が首を振った。
「ねーどうしたらいいかなー、俺」
「どうしたらって…勉強するしかないでしょう。何が苦手なんですか?この平滝夜叉丸が教えて差し上げましょう」
「うーん、全部かなー」
「…」
「あーあー滝が固まっちゃった。」
「タカ丸さん…勉強する気あります?」
「三木くんスパルター」
「まだなにもしてませんけど」
んー、とポッキーを一本取り上げたタカ丸が、でもさぁ、と言う。
パックの紅茶にストローをさした三木ヱ門がそれになんですか、と律儀に返した。
教室には四人以外誰もいなくなっている。
「三木くんも滝くんも、頭いいよねー。いっつも上位争いしてるしさ。勉強してるの?」
「してなきゃどうやって上位になるんですか…」
「えー、でもでも、べーくんだって頭いいけど、俺、勉強してるとこ見たことないよ!」
「そらそーですよ、だってタカ丸さんにばれないようにしてるんですもん」
「ええーひどいやー」
唇を突き出して、綾部を軽く小突くタカ丸に、固まっていた三木ヱ門と滝夜叉丸は、はっと動き出した。
軽いショックを流されて、二人は少し混乱気味である。
切り出したのは滝夜叉丸。
「えっ、ちょ、ま、え、え?タカ丸さん、タカ丸さん、待ってください!」
「え?なにー急に」
「いや、急って言うか、あの、え?」
「え、あの、タカ丸さん、綾部のことなんて呼んでます?」
混乱しすぎて眉間を押さえる滝夜叉丸に変わって、三木ヱ門がたずねた。
それに、あー、とタカ丸は頷く。
「あー、べーくん。綾部のべを伸ばしただけだよ。三木くんたちもそう呼ぶ?」
「いや呼びません」
「…そんな、呼びかたしてたんですね…なにか喜八郎が随分親しみやすいやつみたいですね…」
「えーなんだい。滝、それ、どういう意味」
「そのまんまだが…」
「ていうかそもそも、二人みたいに、縮めて呼べなくて不便だから作ったんだよねー」
「ああ…」
「じゃあ、三木くんはベー君の事なんて呼んでんの?」
タカ丸が首をかしげると、三木ヱ門は一も二もなく真顔でばっすり答える。
「綾部」
「…なんで?喜八郎は?」
「長いから」
「…」
即答した三木ヱ門に、んーと細いやわらかい目をしたタカ丸はボソッとつぶやくだけにとどめた。
「なんか、三木くん段々、文次郎君に似てきたね。」
まぁ、結局、三木ヱ門には聞こえたわけだが。
「え、じゃあ滝くんはー?」
「えええええええ!!ちょっと待ってくださいタカ丸さんどこがですか!具体的にどこがですか!!」
「三木うるさーい」
「どこがですかぁぁぁぁあああああ!!」
綾部の指摘も知らん振りで叫ぶ三木をさらに知らん振りした滝夜叉丸とタカ丸は、二人でジュースをのんだり菓子を食べながら話し続けた。
「わたしですか?喜八郎ですね。」
「滝くんは、下の名前をしっかり呼ぶよねー、俺のもそうだし、三木くんのも」
「そうですね。三木ヱ門って呼んでますね。」
頷く滝夜叉丸に綾部が、三木はさー、と話し始め、三木は具体的にお願いしますぅーと言うのをやめた。
「三木はさー、私のことは綾部って言うのに滝のは、滝夜叉丸って呼ぶよね。」
「…ああ、そうだな。」
「えー、なんでなんでー」
タカ丸が楽しそうに、滝夜叉丸ってのも十分長いよーっと笑う。
滝夜叉丸は、それに何も言わないまま話を見ていた。
「なんでって…僕が滝、とか呼んだらおかしくないですか?」
「うん」
「うん」
「やめてくれ」
「……まぁ、僕がおかしいって言ったけど、そのリアクションはやめてくれませんか」
三人のリアクションに、三木ヱ門が顔をしかめると、ごほごほっとわざとらしく咳き込んだタカ丸がうぅーん、とにっこり笑って首をかしげた。
「いやなんか…三木くんって文次郎君に段々似てきたね」
「…え、え、どれ!?これ?これですか!?」
三木ヱ門がだーんと机を叩いて喚くと、他の三人は目をよそよそしく逸らして、話し始めた。
「べーくんが嫌だったら何がいい?きはちろう、の、はち、とか?」
「そんなどこぞのヤキソバみたいなあだ名やめてください」
「お前はまた露骨だな…」
ため息をついた滝夜叉丸に、むぉっ、と紅茶を含んだまま綾部が抗議する。
「むっぉぉぉ」
「あーあーそうだなそうでした」
「え、何、滝くん、なんていってたの綾部くん」
「知りません」
もう面倒だったんで、としらっと手を上げる滝夜叉丸に極端に驚いた顔をしたタカ丸。
それに三木が力なく声を出した。
「だいたいタカ丸さんがどうやって退学免れるの話がどうしてこうなったんですか…」








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四年生。
女子高生みたいなことする四人が書きたかったのになんだこのグダグダ感…

100803 宮上

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