3年ろ組の悪ふざけ





学園が休みの今日。
良い天気でみんなが朝寝坊をしているのにもかかわらず、三年ろ組のお騒がせ3人は、忍装束をばっちり着込んで教室で先生を待っていた。
「なぁ〜作兵衛ぇ」
「なんだ三之助」
3人以外誰もいないのに、当然のように固まって座った3人は、それぞれつまらなそうに話し出した。
「なーんで俺達、こんな良い天気にこんなところにいるんだろうなぁ」
「それは私も疑問だ!作兵衛!何故だ!」
身を乗り出した左門を眺めた作兵衛が、疲れた顔をした。
「お前等がテストの時に迷子になって、それを俺が探したからかな〜」
「何!そうか、その節は世話になったな、作兵衛!」
「………左門は可愛いなぁ。次から気をつけろよ、これも毎回言ってるけど。」
左門を撫でて、困ったように笑うと、反対に座った人間をじとりと睨む。
「それに反してお前ってやつは…」
睨まれた三之助はキョトンとした顔でしらっと言ってのけた。
「だって俺迷子じゃねーもん」
「………これだもんなぁ」
はぁ、とため息をついた作兵衛はわっしわっしと左門の頭を撫で回し、ぎゅうと抱きついた。
「…もう良いけどよ」
「作…疲れたのか?」
「作…無理するなよ?」
「…誰のせいだ誰の」
もう一度深いため息をついた作兵衛を、つまらなそうに見た三之助は天井を仰いだ。
「しかし先生こないな…人を呼びつけといて」
「そーだな…何やってんだ?厠か?」
「にしては長くないか?腹でも下しているのかもしれんな」
「忍者がぁ?」
「いや…忍者だって人間だから腹ぐらい下すだろ」
作兵衛が言うと、左門がわめいた。
「つまらんぞー!」
「おい左門うるせぇよ、黙って待ってろ」
「しかしだな、作兵衛、先生が来んとただ待ってるだけじゃ何とも…」
「あー、じゃあさ」
面倒そうに立ち上がったのは三之助で、ふいに黒板に近寄り、左門と作兵衛を振り返る。
「じゃーん。仕掛けちゃう?」
手にしていたのは黒板消し。
それに、ハイハイ!と賛成したのは左門だった。
「仕掛けよう!」
「よーし、じゃあ左門これもって」
三之助が楽しそうに言って、廊下側の窓枠に足をかけた。
「先生びっくりするかなぁ」
「びっくりというか、多分怒鳴られるぞ三之助」
「また反省文かぁ〜」
楽しそうに二人で笑って、なぁ作兵衛!と振り返った。
「…お前等なぁ…」
ため息をついた作兵衛に、えぇ!と声をあげた左門はまだ座っている作兵衛に駆け寄った。
「作!だってつまらんのだ!」
「そうだよ、作兵衛。びっくりする先生みたいだろ?」
窓枠の三之助もつられるように言って、作兵衛が立ち上がる。
「違うだろ、どうせなら粉いっぱい出た方がいいじゃねぇか」
と言って、左門から黒板消しを取って黒板に向かう。
途端、迷子二人のさっすが作兵衛!と言う声が響いた。
「さすが!作兵衛乗ってくれると思ってたぞ私は!」
「しかも粉を増やすなんて、なんて陰湿なんださすが作兵衛!!一味違うぜ!」
「俺だって暇なのは変わんねーんだよ。楽しそうだしな!あと三之助はてめぇ張っ倒すぞコラ」
3人で楽しそうに、2つある黒板消しをダブル攻撃だ!と言って粉いっぱいにして、背の高い三之助がそうっと落とさないように設置し、後は何も気がつかない先生が引っ掛かるだけとなった。

「いやぁ〜楽しみだな」
「三之助、来たら教えろよ」
「応、任せとけ!」
薄く開けた窓から廊下を覗く三之助に満足したように作兵衛は笑って、なぁなぁ!と左門が待ちきれないようにわめいた。
「三之助、まだか?」
「まだ誰もこないなぁ」
「先生驚くだろうなぁ作兵衛」
「あぁ、それですげぇ怒るぞ多分。それで…反省文だけじゃあきたらず校庭走らされて、後ろから手裏剣が飛んできて早く走らんと当たるぞとかなんとか…」
「作兵衛、作兵衛、私の先輩じゃないんだから…」
「……潮江先輩はそれをするのか…」
「あっ!誰か来たぞ!」
思考が迷子になった作兵衛を左門が宥める間に三之助が叫んで、3人は普段より数倍早い動きで席につき、緊張した面もちで先生が入ってくるのを待った。
しかし足音は1人分より多く、何やら楽しそうな話し声まで聞こえる。
「あの3人ちゃんと教室いるかなぁ」
「あ〜どうだろうねぇまた迷子かな」
「いるんじゃないか?流石にテストだろう?」
「そうかもね〜」
聞き覚えのある声達に3人は一緒に首を傾げて、そうこうしているうちに、声はすぐ近くまで来てしまった。
「3人とも〜ちゃんと教室にいる?」

ボフン
「ぅわ!」
バフン
「ぅべ!」


入って来たのは、数馬、藤内、孫兵の3人で、先生が餌食になる予定だった黒板消し落としダブル攻撃を喰らったのはどちらも数馬だった。
「…」
「…」
「…数馬…」
「…お前等…」
「…先生が急な出張で、お前たちの再テストが無くなったと伝言を預かったからきたんだが…」
「…説明ありがとう、孫兵…」

その後、粉だらけになった数馬に3人は怒られ倒し、それを孫兵と藤内が宥めて、結局せっかくの休日を無駄にしたのは6人になってしまった。














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12歳12歳!と言う呪文を唱えながら書いた。
3ろは1人悪乗りしだすとみんな乗って、結局やっかいな3人になるといい。

宮上



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