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こちらの設定




目の前でハンバーガーを食べている人物は黄瀬涼太。容姿端麗でモデルをやっています、どういう経緯か僕自身分かりませんが彼に懐かれて、よく食事に誘われます。今日もいつもと同じように学校に最寄りのマジバーガーで食事をしているのですが、なんだか今日の彼は不機嫌です。理由も話されずに仏頂面でいられるのはこちら側も不快なので一応ダメ元でも理由を聞いておきたい。

「何かあったんですか?」
「あ、いや、ほんと、女の子って面倒だと思って」
「もしかして、また、もう別れたんですか」

そう言うと、黄瀬くんはシェイクを飲みながら頷いた。先程も申し上げた通り、彼はモデルをやっているくらいなのでとても見た目は麗しい物です。性格もはっきり言えば申し分ないです、女の子にも男の子にも分け隔て無く親しく接してくれます。だけど、飽きっぽい訳ではないのですが、お付き合いしていた女性と長く続くところを今まで見たことがありません。今回も1ヶ月くらいだった思います。

「他の子と話していただけで浮気だって言うし、メールに返信しないと何で返信しなかったのかしつこいくりあに聞いてくるし、仕事で忙しいのに会いたいとか言ってくるし」
「それぐらい黄瀬くんのことが好きなんですよ」
「それにしても限度があるってことッスよ。結局は顔しか見てないんじゃないんッスかねぇ。今回の子は良い子っぽかったから付き合ったけど、付き合うんじゃなかったッス」

思い出してみると、今回の黄瀬くんの彼女は大人しそうで控えめ。そんな子だから逆に一途に好きだったから少し束縛してしたまったりしたんじゃないでしょうか。とは思ったのですが、言ったところで今更なので黙っておきます。
別に遊び人というわけではないのですが、彼と付き合ってきた彼女たちのことを思うとやはり可哀想です。いつかちゃんと真剣に向かい合ってくれる人が出て来てくれると良いんですが。

「最近、女の子も好きなんッスけど、男の方が楽かなーって思ったりするんスよねー。バスケしたり、話せる話題も大体同じだろうし、気を遣わないで良いし」
「それなら一人心当たりがあるので紹介しましょうか?」

黄瀬くんが言っているようなことを言っている友人を思い出した。胸が好きなくせに、女の子と付き合うと直ぐに別れてしまう。理由を聞けば「めんどくせぇんだよ」と言ってくる、青峰くん。この前、この店に一緒に来たときも「どうせだったらダチと連んでたり、テツみたいな奴と付き合ってる方が良いわ。話も合うし、バスケのことも分かるしよ」と言っていた。バスケ部で黄瀬くんとも話が合うかもしれない。

「付き合う付き合わないの問題以前に、良い友達になれると思いますよ」
「じゃあ、今度紹介してくださいッス」

あまり興味を示している様子は黄瀬くんからは伺えなかったけれども、取りあえず会ってみなければどうなるかは分からない。案外良い方向に転がってくれるかもしれないので、そうなると良いんですが。


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