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S/E/X P/I/S/T/O/L/Sという漫画のパロ(おおまかな世界観と設定)



授業が終わると青峰は急いで教室から飛び出した。授業が終わった生徒がところどころにいる廊下を走り抜けて、滅多に人が来ない棟のトイレの個室に逃げるように入り込む。ばたん、と激しく扉を閉めて、鍵をかける。そこで青峰はやっと落ち着くことができた。
全力ではないが結構なスピードで走ったので息があがっている。深呼吸を数回繰り返して息は整っても、身体の火照りはなくならない。原因が走ったから、という訳だけではなかった。身体全体が火照り性器にじんわりと熱が集まる。「畜生、ったく発情期ってめんどくせえ」と青峰は苦々しく吐き捨てた。去年までは抑えることができたのに、今年に限って何故だか分からない。
理由を考えていたって仕方がないからオナニーでもするか、と開き直ったところで扉の奥から歩く足音が聞こえ、青峰っち、と名前を呼びながら黄瀬がきたことが青峰にも分かった。それでなくても黄瀬の放つ匂いに体が反応し、熱くなる。

「いるんッスか」
「いる。なんでお前来たんだよ」

扉の前で足音が止まって、薄い扉をコンコンっと二回ノックしながら「青峰っちが辛そうだから、手伝ってあげようかなって思ってさ」と声が聞こえた。斑類の性のモラルは低いし、男も女も関係ないという人も多い。しかし残念なことに青峰は性に関してはノーマルだ。

「ありがてえけど、俺にそんな趣味は無えって」
「良いから、開けて」

青峰がいくら断っても、黄瀬は憂いと熱を含んだ声で開けて、と繰り返すばかりだった。その間も、扉を挟んで黄瀬の匂いが入ってくる、青峰の身体は更に熱くなっていく。早くおわらせてしまいたくて青峰は鍵に手を伸ばし、扉を開けた。扉を開けた先に立っていた黄瀬は、いつも尻尾を振っている犬には見えなくて笑みも満面ではなく綺麗に小さく微笑を浮かべていた。
黄瀬は遠慮もなくトイレに入ってくると、扉をしめて鍵をした。かちゃん、という安っぽい鉄の擦れる音がして扉が閉まったが、その音は青峰の体に響いた。黄瀬は扉を閉め終わると、青峰に近寄って下半身に手を伸ばした。青峰はぎょっとして後ろに後ずさったが、そこはトイレで後ろの壁にすぐに背中がふれた。慣れた手つきでベルトを外して黄瀬は青峰のズボンのチャックを下ろす。

「だから、俺にそんな趣味は」
「そうッスね、あんたはノーマルだよ、おっぱい大好きだしね。だけど、斑類は本能で相手を見つけるんだって、あんたも知ってるだろ。そして気づいてたんだろ、あんたは俺と相性がいいってさ、けどノーマルだから気づいてないふりをしてた」

下着の上から、少しだけ頭をもたげている青峰の性器に黄瀬は手を触れた。青峰は慌てて黄瀬の手を払いのける。それでも黄瀬は焦らずに怒ったそぶりも見せずに、また笑って話し始めた。

「あんたと俺は相性がいいよ、だってほらあんたのちんこ、俺の匂いだけで興奮して勃ってる」
「発情期なんだよ、てめえは関係ねえ」

黄瀬が無言でまた距離を詰めた。匂いが一層濃くなって、体中が熱くなる。抑えようと思っても熱は収まらず、性器もさらに頭をもたげた。釣られるように隠していた魂現の黒い耳と尾が頭と尻に生える、そしてゆらゆらと揺れた。口元に弧を描きながら、黄瀬がまた青峰の性器を下着越しに触れる。そこは先ほど触れたよりも固くなっていた。「近寄っただけで魂現出して、ここ大きくしてる人が何言ってんスか」と黄瀬は言うと「遊びで良いよ。一回俺を抱いてみて、俺胸は無いけどアンドロジーナスだから下はあるしさ。まあ、そんで気持ちよかったらまたすればいいだけじゃん」と言葉を続けて、自らネクタイをほどきシャツのボタンを外し始める。濃くなる匂いに青峰は耐えられず、服を脱いでいた黄瀬を壁に押し付けた。



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