テキスト | ナノ
R16


口中に吐き出された精液は、お世辞だろうとも決して美味しいものではない。むしろ、苦くて美味しいとはかけ離れたものだったが、黄瀬はそのねっとりとした精液を少しずつ味わうように喉元に送り込んだ。黄瀬の喉仏がゆっくりと上下する。口元についているものも舌で舐めとり、それも同じように飲み込んだ。
青峰は少し息を荒くして、黄瀬の頭を撫でる。別に強制されているわけでもなく、黄瀬は望んで自分からフェラチオをする。それから嬉しそうに精液を飲み込む。

「お前さ」
「何ッスか?」
「なんでフェラすきなんだよ、マジいだろ」

そうだけど、そういいながら黄瀬はやらしい顔をする。欲情に心を委ねて、熱に揺れる瞳で青峰を見た。黄瀬は自分の手を下半身に動かして、青峰の性器を受け入れている部分を人差し指の腹でそっと撫でながら口を開いた。「ここには青峰っちの精子残せないッスから、」そういって、自分の指をアナルに軽く押し込んだ。まだ濡らしてもいない指で抵抗が強く、浅くまでしか軽くでは入らなかった。あ、と吐息とも声ともいえない声を出した。

「バカ、痛えだろ」

黄瀬の手をつかんで、青峰は口含んだ。黄瀬の人差し指中指に自分の唾液をねっとりと絡ませる。ローションだってあったが、今はそれよりも唾液の方が良い。口の奥まで指を入れ、指の付け根まで飲み込む。その光景はさっき黄瀬が青峰に対して行っていた行為に似ている。汚い場所だとか恥ずかしいとかそういう概念は二人の関係からはどうでもよいことになっていた、それは慣れともいえた。
たっぷりと唾液に濡れた指を口から抜き出した。唾液で指がてかてかと艶めかしく光っていた。

「ほらよ」
「やってくれるかと思ってたンすけど」
「てめぇが自分で勝手に始めたんだろ、見せろよ」

別に黄瀬が青峰の前で自慰をするのは初めてではない。それでも多少の羞恥心はある。黄瀬は青峰にそんなことを言っても無駄だと分かっていて、ふふっと笑ってから大人しく自分の青峰の唾液に濡れた指を、脚の間に運んだ。ゆっくりと息を吐きながら指を一本、人差し指を入れていく。またここに青峰の性器が挿れられて、彼の精子が注ぎ込まれることを想像する。それを考えたとき、人差し指を中が締め付けたのを黄瀬は感じた。



いっそ孕んでしまえばいいのに/自慰
R16、本番もいつかは書きたい
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