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S/E/X P/I/S/T/O/L/Sという漫画のパロ(おおまかな世界観と設定)


朝起きることが億劫で、氷室はベッドの中で目を覚ましてもしばらくの間動かなかった。蛇の目は体温調節が不得意で、暑さ寒さに弱い。いつもは点けている暖房が点いていなく部屋が冷えていて、いつも以上に起きるには体がきつかった。
冷え切った身体を温めようと布団の中で丸くなると、暖房は昨日紫原が熱いからいやだと言って点けなかったのを思い出す。情事の最中は紫原の体温で氷室の体温もあがっていたが、起きていなかったら意味がない。

「アツシ」
「な〜に〜」

名前を呼べば、ドアを開けて隣の部屋から紫原がのっそりと出てきた。暖房付けてくれないか、あと服も上着を取ってくれたら嬉しいな、とお願いをすれば「まだ暖房をつけるには暑いよ」とは紫原は言ったが、部屋の隅まで歩いて行って暖房器具のスイッチを押した。小さく低いモーター音がして、温かい温風が部屋に少しずつ広がっていく。熊樫や他の斑類にはちょうどいいくらいの気温だったが、それでも蛇の目の氷室には寒すぎるくらいの気温。暑いはずなのに、文句を言いつつも自分に合わせてくれる紫原が氷室は好きだった。
それから氷室の方に歩いていくと、毛布の上から氷室を抱きしめた。「アツシ、重い」と言って、氷室が肩を押して抵抗をしたが「部屋が温まるまで俺が温めてあげる」と言ってから、一層腕の力を紫原は入れて氷室を抱きしめる。
紫原の首元から感じる匂いに、氷室は目を細める。重種である紫原の匂いは、甘くて、ひどく官能的な匂い。堪らずに氷室は軽く吐息を吐き出せば、それに気づいた紫原が「室ちん、エッチィ気分になっちゃった?」と少し茶化すような口調で言って氷室の首筋を舌先で舐めた。

「昨日散々しただろ」
「え〜、いいじゃんあと一回くらい」

ダダをこねるように紫原が言ったかと思えば、抱きしめていた体制から急にベッドに押し付けられて氷室は天井を見ることになる。
「早く子供作りたいなぁ」と言って、紫原は氷室の服の内部に手を入れて、直接腹部をさすった。その掌の体温の心地よさに氷室はまた目を細め、紫原の頭を撫でた。「高校を卒業するまでは無理だよ」と氷室は行ったが、気持ちは同じだった。
腹部を触っていた掌が腰に回ってくる。流される前に「部屋が温まったから大丈夫」と言って氷室は紫原を押し返そうとするが、紫原は無表情に、内心楽しんで、氷室の腕をつかんでそれをあっさりと無意味にする。氷室はその瞬間にすぐに腕の力を抜いた。

「あれ、もう抵抗しないわけ?」
「しても無駄だろ、重種には敵わないからな」

諦めたように目を閉じて氷室は言うと、ゆっくりと目を開けた。視界に入る紫原の口元は上がっていて、それから、いただきます、と言うように動いた。



さむいねえさむいよ
title by  ごめんねママ
セクピスの設定を生かしきれなくて無念
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