テキスト | ナノ
※中学時代/クラスが同じ設定



適当にテレビを点ける。おは朝のチャンネルを探して、チャンネルを動かしザッピングをして発見する。緑間がよく見ている今日の占いのコーナーはもう少し後で、今は芸能関係の記事を紹介してた。
欠伸を1つしながらテーブルに着き、準備されていた朝食を「いただきます」とぼそっと言ってから青峰は食べ始めた。テレビの中では綺麗な若いアナウンサーが新聞記事を読んでいた。起きたばかりで完全に覚醒していない脳みそで、あまり内容は耳に入ってこない。飯を咀嚼しながらぼんやりとテレビを見つめていたら「続いてはモデルの黄瀬さんの話題です」という声が聞こえて、一瞬驚いたが直ぐに平静に戻ってテレビを青峰は見続ける。
今度、テレビに出るとかそんな感じの話題で直ぐに終わってしまったけれど、黄瀬が芸能人だと再認識した。近くに居すぎてそういうことは余り意識することが無かった。

「今日、ニュースに出てたな」
「あ、見てくれたんっスか。あ、テレビに出るって言っても脇役でちょっとだけっスよ」

学校に言ってから、早速黄瀬に会ってから話をすればテレビに出ることは案外どうでも良いように見えた。妙に口ぶりがあっけらかんとしていて、直ぐに「今日もワンオンワンしてくださいッスよ」と綺麗に笑いながらバスケの話題へと黄瀬は話を変えた。その態度はテレビに出ること人目に晒されるとこへ慣れているからなんだろうかと考えたが、そんなこと考えても何にもならないので思考から消す。

「別に良いけど、何か奢れよ」
「え〜何でッスかぁ」
「相手してやってんだからそれくらい当然だろ」

そう青峰が言えば、それはそうッスけど、と言ってそれから口籠もって小声でぶつぶつと黄瀬が何かを言っているけれど、クラスのざわめきでかき消されていて何も聞こえなかった。
鞄の中から教科書と筆箱とファイルを取りだして、引き出しの中に移動させる。今日提出の課題をやっていなかったことを思い出して「黄瀬、今日の課題貸せ」と青峰が言えば「命令形ッスか」と苦笑しながらも、黄瀬は鞄からファイルを取り出して青峰に手渡した。
黄瀬の机の上に自分の真っ新なプリントと黄瀬のプリントを並べて青峰は写し始めた。その様子を黄瀬は黙ってみていた。こうやってだらだらとしていたら、やっぱり普通の同級生にしか思えなくて芸能人だなんて考えられない。

「黄瀬は黄瀬だよな」
「どういう意味ッスか?」
「そのまんまの意味だよ」

苦笑しながら黄瀬は同じことをもう一度言った。このくだらない感じ、会話、日常が凄く楽しいし、表情がころころ変わる黄瀬を見ているのは飽きなくて、課題を写すのを忘れてあいつの横顔ばかり見ていた。




ばかになっちゃおうよ/ごめんねママ
友情よりだけどちょっと意識する前くらいをイメージ

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -