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緑間が女の子です



部活が休みの日は、2人で遊びに行く。デートと言って良いのか分からない、ただ会って話してしたいことがあればするだけで、特に恋人らしいことをするわけではない。それは俺だって男だからキスの1つくらいしたいし恋人なのだから許されると思う、そう考えたところで集合場所の駅前に行くとそこには真ちゃんが立っている。高尾も時間よりも早く来ているはずだが、それよりも緑間の方がいつも早く来て待っていた。
部活や学校では変人と言われている彼女も、やはり女の子で私服姿で立っている分には可愛らしい。「真ちゃん」と高尾が声をかければ、緑間は高尾の存在に気付き振り向いたが表情は相変わらず不機嫌そうにしか見えない。

「待った?」
「少しだけだ」

待って何て無い、今来たところ、そんな謙遜な言葉は彼女は言わない。だけど嘘も言わないから、待っていたのはほんの少しの時間だけだたはずだ。
上はシャツにネクタイにVネックニットでいつも通り派手すぎず地味すぎず彼女に似合っているが、下は緑間には珍しく短めのパンツ。薄めのタイツに隠れた足が、短いパンツから覗いている。
「今日ちょっとパンツが短いね」と高尾が言えば、緑間はラッキーアイテムなのだよ、と小声で言った。長身でスタイルの良い緑間にそれはとても栄えて見えるが、どうも足下がそれではアンバランスに思える。

「どうせ短いの履くなら、靴もヒールとかの方がよかったんじゃね?」
「・・・ヒールは嫌なのだよ」

彼女はそう言っていたけれど、本心ではない気がする。街に遊びに行くと、たまに彼女は歩いている女性の足下を見ていることがある。その目にはおそらくヒールの靴が見えていた。スタイルも良いから緑間が履いても似合うと思うけれど、高尾と2人出かけるときはパンプスとかスニーカーなどヒールなどがあまり無い物ばかり緑間は履いていた。
高尾が「真ちゃん、ヒール似合うって」「履いてみたら」と提案しても、緑間は「良いのだよ」「要らん」と突き放すように返答をした。頑なに拒否する理由を聞けば、緑間は渋々口を開いた。

「ヒールを履いたら、私の方が伸長が大きくなるだろう」
「それだけ!?」
「高尾は自分より身長の高い女子は嫌だろ。高尾が良くても私には重要なことなんだ」

ずり落ちてもない眼鏡を抑えながら、緑間は少し早口に捲し立てる。それで、照れていることが分かった。思わずかわいくて高尾は笑ってしまったら、笑い事じゃないのだ、と緑間は語尾を強めてそういった。

「真ちゃん、やっぱり可愛いね」
「可愛くなど無い、こんなデカイ女なんて」
「ううん、可愛いって」

公共の場じゃなかったら抱きしめたけれど道の真ん中でソレをするのは憚られて、できたとしても緑間が怒ることは目に見えた。
「だったら、俺まだ1年だしこれからまだまだ身長伸びるから、そん時ヒール履いてよ」と言えば、緑間は怪訝そうに「伸びなかったらどうするの?」と聞いてきた。伸びないつもりはないけれど、高尾は苦笑しながら「シークレットブーツを俺が履くって」と言ってのけた。

「ってことで、今日はヒールの靴を買いに行こうぜ、真ちゃん。誕生日だしプレゼントするから」
「まだ高尾の身長が伸びてないのだよ」
「細かいことは気にしない気にしない」

未だに渋る緑間の手を引いて、高尾は歩き始めた。慌てて緑間も高尾に近づいて、それから高尾の隣で歩き始めた。今は未だ同じくらいの歩幅。










べたすぎて笑えちゃうわ
タイトル ごめんねママ
緑間ハピバ
実は高緑は♀化よりもホモが好きなんですが
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