テキスト | ナノ
※黒子がテツナ♀
※色々と捏造注意



青峰が珍しく部活の無い次の休みはいつだいつだとしつこく聞いてくるので、黒子はベットから立ち上がってカレンダーの所まで移動すると、「あ」と小さく声を発した。またぺらりとページを捲り直してまた捲って、それからそのページを見たまま動かなくなる。目に入った来月のスケジュールのページには自分の文字で小さく記念日と書かれていた。自分でもすっかりと書いたことを忘れていて、昔の自分はこんなにもマメに書いていたのかと思わず笑ってしまいそうだった。
その様子を不審に思い「どうかしたのか」と青峰が尋ねたら、黒子は少し間を開けてから口を開いた。

「もうすぐ記念日でした」
「何のだ?」
「私たちが付き合って1年の、です」

そう言ってから黒子はカレンダーが青峰にも見えるように移動して、15日の所に指を置いた。そこには綺麗なレタリングで描かれてプリントされている15という数字があった。言われてみたらそうだった気がしたが、青峰は正直言って覚えてなどいなかった。
マジか、と思わず口から本音が漏れていて青峰は慌てて弁解しようとしたが黒子はいつもと変わらない涼しい表情で口を開く。「別に青峰君にそんなこと期待してないので大丈夫です」と言えば青峰は苦笑した。
基本的に彼の頭の中にはバスケの文字しか存在していないのだと、黒子は知っている。それに自分でも忘れていたので人のことをとやかく攻めるつもりも無く、そう言うことで騒ぎ立てる性格でも無い。

「だけどよ、一応記念日だし何かやろうか?」
「万年金欠なのに買える物なんて有るんですか」
「あ、まぁそうだけど」

ベッドの上で胡座を掻いていた青峰は後ろの方に倒れ込む。黒子はベットのさっきまで座っていた場所に腰掛けた。頭に手を置いて顔を覆いながら唸って考えている青峰に「アイスが欲しいです」とだけ言った。大きな手を開いて、指と指の間から目を覗かせて「そんなんで良いのかよ」と青峰は呆れを含んだ声色で聞いて聞くが、黒子は青峰の方を見ることなく壁のカレンダーを見ていた。

「さっきも言いましたが、青峰君にそういうことは期待してませんから」
「なんだか逆に虚しいな」

そうは言っているけれど青峰は悪びれた様子など何処にも感じられない。そういうところが好きなのだから、怒る気など黒子には更々無かった。私も案外バカですね、そう思いながらそっと黒子は青峰の隣に身体を横たえた。





好ましくない
タイトル ごめんねママ
いしいさんリクエスト/青峰と黒子♀
帝光青黒の日だったので
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