6.崖、伸ばされた手、そして落下A | ナノ


※R18

6.崖、伸ばされた手、そして落下A


「いっ…あ、あっ」
「は…っ…これで何回目かな、まだ足りねーけど」
「っ、も、っと…」
「お前、寝込むかもよ?」


そうは言っても、ロックオンも止めるつもりなどないようだ。もちろん俺も同じだが。

あの後ロックオンは時間をかけて、俺の繋がる場所を慣らした。
そこまでは良かったが、中に彼のものを挿れてからは、どちらも貪るように求めた。
今、俺達が何回いったのか分からない。
今まで同じベッドで眠る事は多かったが、2人で旅をし始めてから身体を重ねた事はなかった。
そのせいだろうか。体力的に限界を感じていても、欲求が満たされない。

ロックオンも同じ気持ちなのだろうか。

(そうだったらいい)

掴みかけた理性をまた飛ばすかのように、俺はまた自ら腰を動かした。


「っ、ん…」
「っ…なあ刹那、最高によくなれる体位教えてやろうか?」


ロックオンは何を思ったのか、今まで正乗位だった形から、俺の身体を持ち上げて胡坐をかく形で座り込む。
対面座位だ…と思った時には自分の身体を支えることが難しくて、より深くロックオンのものを咥え込んでしまう。
ロックオンの首に回した腕の力を込めることで、何とか汗で滑り落ちそうになるのを防いだ。
痛みはもうよく分からない状態だったが、塞いでいるにも関わらずロックオンの吐き出した白濁が内股を流れていくような気がして、目を瞑る。
動きたいが動けない。そんな状態の俺にロックオンは快楽に歪んだ表情で笑った。


「さっきみたいに動いてくれねーの?」
「う、うごけ、な…」


ただでさえ身体に力が入らない。
分かっていて意地の悪いことを言うロックオンに文句の1つを言いたかったが、力の入らない唇にそれすらも出来そうになかった。


「じゃあ、支えててやるから。どうだ?」


ロックオンは片手で双丘を撫でて掌で支える。
どうしても動いて欲しいらしいロックオンに、俺は仕方なく回すように腰を少しずつ動かした。
止められる程辛いものはないからだ。
震えながら動けば、中で白濁がごぽごぽと音を立てる。
何回出されたのか分からない彼の精がダイレクトに響く。
掻き出してからにすれば良かったと後悔するはめになった。


「うっ、んん…」
「…すっげー音。俺のでいっぱいだもんな」


もっとしてやるよ、と言った彼は、俺の身体を腰に手をあてて支え、下から抉るように突きあげる。
今まで以上に奥まで当たり、俺は頭が真っ白になった。


「や、あぁっ…そこ、」
「どう、だ…刹那、いいだろ?」


いいとか悪いとか、そんな事は考えられない。
知らなかった奥底の官能の火が灯り、未知の感覚が背中を走り抜ける。
ロックオンとのセックスが怖いと思った。
自分が自分でなくなるような、快楽に従順な犬になってしまいそうな感覚に、頭がおかしくなりそうだった。


「あ…も、う…」
「仕方ねーなっ」
「ひっ、ぁあっ!」


ぐっと更に最奥まで抉られて、俺は意識を手放しそうになった。
荒い息を吐いたまま、ロックオンは俺の身体を横たえて中から自身を引き抜く。
中から欲望の証が零れ落ちて、その様子を間近で見た彼は満足そうに笑顔を浮かべた。
閉じていく目で確認したので、その笑顔が現実だったのかはよく分からない。
しかしながら、ロックオンが中から指で掻き出そうとしているのを感じて、慌てて起きたわけだが。


「し、しなくていい」
「腹壊すぞ?」
「自分でやれるっ」


起きあがったせいで、流れていく様がリアルに見えてさすがに羞恥心が芽生える。
ロックオンに背を向けてから、ティッシュを取り出して自分の指で中のものを掻き出した。
あそこの感覚はない。
頭はぐらぐらする。ロックオンの言った通り、明日は満足に動けないかもしれない。


「ふ…んん…」
「……」


全て掻き出してからようやく安堵の息を吐くと、ロックオンが後ろから俺の身体を抱き締めた。
ついでに、若干反応した快楽の象徴を尻の辺りに押し付けて。


「…ロックオン」
「わるいな、若いもんで。風呂場行こうぜ?運んでやるから」


若いかどうかは別として、無駄に元気なロックオンに呆れつつも、俺の見た夢のようではなくて良かったと思う。
立とうとしてふらついた俺の身体を軽々持ち上げると、ロックオンは鼻歌交じりに風呂場へ向かった。


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