夏(フリティ) | ナノ


※先にバツティナを見た方が分かりやすいかもしれないです。


フリオニールはしゃがんで水辺で遊んでいるティーダを虚ろな瞳で見ていた。
暑い。
この暑さは尋常ではない。
渇いた暑さならまだしも、湿気を含んだ暑さにフリオニールの思考は正常に働くことなど出来なかった。
フリオニールはティーダを見ながら、彼を剥いたらどうなるのだろうと想像を巡らす。
濡れて張り付いた服に、その下に隠れているコントラストのはっきりしたきめ細やかな肌。
全裸よりも少し肌蹴ていた方がいいのかもしれない。
そこまで妄想したところで、隣にいた仏頂面のクラウドと微笑みを絶やさないセシルががっちりとフリオニールの横をキープする。


「ティーダたち可愛いね、はしゃいじゃって…ね?フリオニール」
「ああ…」
「楽しそうだな。ところでお前はあれをひん剥きたいようだな、フリオニール」
「ああ……って、え!?」


フリオニールはセシルの言葉にはきちんと頷き、クラウドの言葉には適当に返事をした後思わず叫んだ。
セシルはくすくすと笑い、反対にクラウドは眉間に皺を寄せている。
何故自分の思考がばれたのか、フリオニールには分からなかった。
それはすぐにセシルが教えてくれたけれど。


「な、何で…」
「声に出してたよ。全部脱がすより着衣のままがいいって」
「なあ!?」
「フリオニールがそんなことを考えていたとはな…」
「お兄さんたちどうしたらいいかな?」


クラウドからの何か軽蔑の眼差しがフリオニールに突き刺さる。反対にセシルはこの状況を楽しんでいるらしい。
何と言ったらいいのか…いつも浮かぶであろう言葉が全く頭に浮かばない。
この暑さのせいだろう。こんな状態ではいけない。
涼しそうな顔をしているクラウドとセシルを見て、フリオニールは口を開いた。
やはり出たのは、言い訳ではなく本能に近い言葉だった。


「…欲求不満だから」
「え…?」
「は…?」


フリオニールは本能に従い、立ち上がってティーダの方へ歩き出した。
クラウドとセシルはフリオニールの気迫に、一瞬圧倒される。
止める間もなくティーダの腕を取ったフリオニールを見て、クラウドは溜息を吐いた。


「放っておいてもいいのかい?」
「暑さに頭がやられていても、公開プレイはしないだろう」
「まあ、そうだね」


セシルたちはティーダに覆いかぶさった直後ライトによって静粛されるフリオニールを見て目を細めた。


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