夏(バツティナ) | ナノ




「あっついな…」
「そうね…」


茹だるような暑さに、バッツもティナも座ったまま何もやる気が起きない状態だった。
他の仲間も同じようだった。ライトだけは違ったが、イミテーションもカオスの連中もいないので水辺のあるところで休憩を挟むことにした。
ティーダを始め、ジタンとオニオンナイトは水で遊んでおり、スコールは相変わらず彼らの尻拭いをしている。
その傍らでフリオニールとクラウド、セシルが座り込み、じっとしていた。
ティナは突如隣にいるバッツに疑問をぶつける。


「バッツは、行かなくていいの?」
「何処へ?」
「ティーダたちのところ」


普段ならば率先して遊びに行きそうだとティナは思っていたのだが、今日この日は何故か一緒にいてくれる。
ティナはバッツと一緒にいるのがいやなわけではない。ただ、自分のせいで行けないのかと悩んでいた。
そんな彼女の様子が分かったのか気付かなかったのか定かではないが、バッツは自分の手で仰ぎながら返事をする。


「あー、いいんだ。たまにはゆっくりしたいし」
「そうなの?」
「そうなの」


ティナの言葉を真似したバッツは、そのまま彼女の背中の方へと凭れた。
背中越しに人の体温を感じる。
燃えてしまいそうなぐらいに熱い。日差しではない熱に焼かれてしまいそうだとティナは思った。


「あー、あっついな…」
「くっついてると、余計に熱いよ…?」
「暑いともっと熱いことしたくなるんだよなー。何でだろ?」


バッツの意見にそれは一理あるかも、とティナは心の中で賛同した。こんなに暑くても、モーグリをふかふかしたい気持ちは変わらない。
それに彼の側にいたい。出来るならもっと近付きたい。

(バッツもこんな気持ちなのかしら?)

ティナは疑問に思いながら、顔の汗を腕で拭うバッツの肩に頭を乗せた。


「熱いね」
「熱いな」


暫く二人はそのまま無言で相手の体温を感じとっていた。


****
暑い→夏の暑さ
熱い→人の体温による熱さ
で書いてます。正しいわけがないと思います←


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