God be with you,and How do you do?6 | ナノ
God be with you,and ……… How do you do?
「バッツー!」
ティーダの明るい声が自分を呼んでいるのに気付き、バッツは伸びをした。
コスモスにこの世界に呼ばれてから、仲間を集めるために旅をしていた。
今集まった数は自分を含めて七人だった。
光の戦士であるライト、義士のフリオニール、最年少のオニオンナイト、暗黒と光のどちらも併せ持つセシル、尻尾の生えた盗賊のジタン、ブリッツボールという競技の選手のティーダ、そしておれ。
コスモスによると、あと三人いるらしい。
気ままな旅が出来るのも今のうちか、とバッツは溜息を吐いた。
木の根元に寝っ転がっていたところ、上から先程自分の名前を呼んだティーダに覗きこまれる。
「何で返事してくれないッスか!」
「あれ、してなかったか?」
「ぼーっとしてんなよ!…ったく…」
「わりいわりい。それで、何だって?」
よっと反動をつけて上半身をきちんと起こし、ティーダの視線に合わせた。
ティーダはそうだった、と声を上げる。
「仲間三人とも見つかったんだよ!みんなもう自己紹介してもらったから、あとお前だけだっつの!」
「まじで?何で呼んでくれないんだよ」
「呼んだだろ!それに、人任せは良くないッス!」
バッツはびしっと指を差すティーダに苦笑を浮かべた。確かにその通りだ。
ティーダが早くしろと急かすので、起き上がり、みんなのいるところへと向かった。
「仲間って、ごつい奴ら?」
「ごつくないッス。二人は男だけど、女の子もいるんだ」
「へえ…可愛い?」
「すっげー可愛い。もう守ってあげたくなるような、感じ?」
ティーダが笑って言うので、バッツも釣られて笑った。
女の子、と聞いた時に心臓がドクンと音を立てたような気がしたが、すぐに収まったので気にしなかった。
ティーダと早足でテントに向かうと、みんなが円になって座っていた。
知らない奴が確かに三人ほどいた。
一人は金髪のつんつん頭で、少し相棒に似ている。もう一人は顔に傷があり仏頂面で(つんつん頭もだが)、変わった武器を持っている。
そして最後にティーダの言っていた女の子を見た。
表情は決して豊かではない、控えめそうな少女だった。
バッツの心臓が、また鳴った。
(何だ…?)
「遅れてごめん。こいつがさっき言ってたバッツなんだ」
「バッツ・クラウザーだ」
バッツが先に自己紹介をすると、金髪頭の男と傷がある男がむすっとした表情のまま名前を述べた。
「…クラウド・ストライフ」
「…スコール・レオンハートだ」
「そっちのチョコボがクラウドで、怖い顔がスコールな」
「…おい」
クラウドが思いっきりしかめっ面をしてバスターソードを取り出すが、フリオニールとセシルに止められた。
バッツは、クラウドを気にせずに少女の方へと顔を向けた。
少女と視線が合い、奇妙な感じがした。
初対面の筈なのに、初対面ではないような…記憶にはないから、気のせいだろう。
バッツは首を傾げている少女に、名前を尋ねた。
「君は?」
「私…?私はティナ、ティナ・ブランフォード」
「私のせいで…!ごめんなさい!」
一瞬自分の知らない場面が、頭を過ぎる。
バッツは頭にクエスチョンマークを浮かべたが、すぐに満面の笑みをティナに向けた。
「はじめまして、ティナ」
少女も同じように、返事をくれた。
さようなら………そして、はじめまして
END