God be with you,and How do you do?4 | ナノ



あやつりの輪が砕け、地面に散る。
ティナの瞳に、光が差していく。


「え………私?」


正気に戻ったティナは、状況が分からずに周囲を見渡す。
少し遠くでバッツとスコールが戦っている。何故だろうと彼女は思った。
ライトはティナの様子に不審を抱き、剣を止めた。


「ティナ…?」
「ライト?私、何を…」
「覚えて、いないのか?」


ライトはティナが小細工を仕掛けているのかと思い、疑いを抱いたまま話し掛ける。
ティナはライトの様子にも気がつかず、今の状況に頭がついていなかった。





驚いたのは、ティナだけではなくスコールと戦っていたバッツもだった。
カラン、と音がした方を見ると、ティナが膝をついてその傍らにあやつりの輪が落ちていた。
彼女に気を取られたバッツは、技を繰り出すスコールのガンブレードの餌食となった。


「ぐああっ!!」


バッツの、むき出しの肩の肉を抉られる。
右手で持っていたものまねしたガンブレードは、手から離れて消えた。
ぼたっ、と抉られた肩から血が地面に落ち、バッツは片膝をついた。

(…右腕をやられたが、まだやれる)

バッツはスコールが剣を振り下ろす前に、左手でブラッドソードを出してガンブレードを受け止めた。
スコールは舌打ちをする。


「バッツ!」
「悪い、お前を相手にしている暇がなくなった」
「は!?何を!」


バッツはわけが分からない、と言ったスコールに力でごり押しをする。
スコールはバッツから距離を置いた。
少し離れたところで、ホーリーを放った。
今までとは違い、当たらないように。それでも近づけさせないように。
バッツはそのまま、ティナの元へと向かう。
スコールは何が何だか分からずに放心状態のまま、バッツが向かう先を見据えた。
その時だった。


「ほーほっほっほ!やっぱり限界でしたねぇ」
「…!ケフカ!」


ケフカがティナのすぐ側に姿を現す。
ティナは困惑した様子でケフカを見つめた。
ケフカはティナの様子が自分の思い通りだったのか、おかしくて仕方がないようだった。


「壊せないお前に用はないよ。消えな」


ケフカは笑いながらティナに向かって魔法を唱えた。
ライトはケフカがティナを消そうとしていることに気付き、彼女を庇うべく足を動かす。


「ばいばい、僕のお友達」
「え…?」
「ティナ!!!」


ティナは逃げなければ、と脳が命令を下す前に目を瞑り、顔を庇う。
先程のライトより前に、バッツが叫びながら走り、ティナの元へと駆け寄った。
アルテマの容赦ない破壊の光が輝きを放ち、爆発した。





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