God be with you,and How do you do?2 | ナノ



God be with you


ティナが目を覚ますと、バッツは近くで壁に凭れて眠っていた。
怪我で倒れた時ぐらいしか眠っている姿を見たことがないので、ティナは新鮮だと思った。
起こすのは悪いと思ったが、今日はコスモス側に対してけじめをつけると前にケフカが言っていた。


「…起きて」
「…ん…何だ…?」


バッツはうーんと伸びをして、ティナに視線を合わせた。
そしてティナの顔を認識すると頬を緩める。


「おはようさん」
「…おはよう…」


同じように返すとバッツはティナの頭を撫でた。
優しく撫でられて、何だか温かい感情が芽生えた気がした。
温かい、というものがティナにはよく分からなかったが。


「…もうすぐケフカが来る。…多分、一掃作戦だと思う」
「ああ、そんなこと言ってたな…」
「あなたがだめなら、私が…」
「はーい、ストップ!」


バッツはティナの口を押さえた。
ティナは目を見開いて、バッツの顔を見た。
バッツは悪戯が成功した子どものように笑う。
ティナが操られてから、出さなかった笑顔だった。


「前も言ったけど、おれはティナの騎士だ。それに、おれはおれの意志でここにいる」
「…ごめんなさい」
「怒ってないさ。さってと…着替えてくるからちょっと待っててな」
「うん」


ティナはまるで親に対する雛のように頷いた。
バッツはもう一度微笑むと、肩の鎧を取りながら奥の方へと行った。

バッツは、既に迷いを晴らした。






準備の出来たバッツとティナは、瓦礫の塔の入口でケフカが来るのを待った。
ケフカが来たのは半刻ほど経った後で、相変わらず気味の悪い笑みを浮かべていた。


「早いですねぇ。もう少し遅くても良かったのに」
「…よく言うぜ」
「ひーっひっひ…お前たちは、ゴルベーザと共にアルティミシア城に行きなさい」


ケフカの言葉に、ティナはこくりと頷いた。
ゴルベーザと一緒というのがよく分からなかったが、バッツも頷き壁に凭れていた背中を外した。
いつものようにティナに置いていかれないように、バッツは先に塔から出た。
続いてティナもケフカを残して去る。
ケフカは笑いが止まらなかった。


「ひゃーはっはっは!…さようなら、可愛いおもちゃたち」


顔を押さえながら、ケフカは笑い続けた。




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