God be with you,and How do you do?1 | ナノ



God be with youprologue


クリスタルワールドに、派手な風貌の男が降り立つ。
既にそこには先客がいて、彼は眉根を寄せた。
なぜなら、彼は基本的に仲間と呼ばれるだろうカオスの連中を毛嫌いしているのだから。
コスモス側はそれ以前の問題である。


「…何で、ここにいるんだい」
「帰っても、私お邪魔でしてねぇ」


ひゃははと下品に笑う男に、派手な男…クジャは顔を顰めた。
下品な奴は嫌いだ。
ピエロのような風貌も気に入らなかったが、中身を知ると更に気に食わない存在だとクジャは思っていた。


「ここに来なくてもいいだろう?」
「行く場所がないんですよー」


こう無意味に語尾を伸ばすのも苛々する。
クジャは苛々した様子で、狂った男…ケフカを睨んだ。
帰れない理由など知らない。ここに来なければ何でもいい。


「飛べない小鳥のところにさっさと行きなよ」
「その小鳥が籠から逃げ出そうとしてるんですよねぇ」
「へえ…随分脆かったね。僕なら羽をもいでしまうけど」


以前全員集合した時に、ケフカのおもちゃには逢った。
無表情の、全く面白くない女だった。その隣にいた男は、コスモスにいた時は随分気楽そうな男だと思ったものだ。
それが飛べない小鳥の騎士になった時に気楽さは封印したようだった。
愛だの幻想だのクジャには興味がなかった。むしろ不快な部類に入った。
おそらく小鳥が逃げだそうとしているのは、騎士の存在が大きいのだろう。邪魔だということだ。
クジャならば、その男を殺してしまう。そうすれば小鳥は飛べない。
しかしケフカは違った。


「羽をもいでもしょうがないですからねぇ。いっそのこと、僕の手で壊す方が楽しそうでしょう」


きゃははっ、と笑うケフカにクジャは目を瞑った。
本当に耳障り男だ。不愉快になる。
シナリオも最悪だと思ったが、ジタンたちがどうなるか考えると見物かもしれない。
クジャは何も言わずにクリスタルワールドから去った。
ケフカは笑い続けていた。




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