クリスマス企画フリティ2009A | ナノ


痛い。
痛い、痛い。
何度やったって慣れるものではない。
実際に本能で動いているフリオニールがそこを慣らしてくれるわけでもないので、ある程度日頃からこうなってしまうことを予測し慣らしておくしかないのだが、いかんせんプライドやら男の沽券に関わるというか…とにかく、抵抗がある。
抵抗しても力づくで押さえられ、殴られ…どうせ結果は抵抗しなかった場合と変わらないため、諦めて受け入れるしかなかった。
だけどやっぱり、少しは気遣って欲しいわけで。


「ひぐっ…、あ、ああ…!」


ティーダは悲鳴にも似た声を上げ、突き上げられる感覚に身悶えた。
フリオニールに抱えられ連れてこられたのは近くの倒産した会社のビル内であり、そこの壁に手をつき、下半身をフリオニールに突き出す形でバックで攻められる。
路上じゃないだけいいか…と思ってしまうぐらい、ここ最近のキレたフリオニールのティーダに対する待遇はましではあったが。
血で興奮し我を失ったフリオニールの対処として、殴って意識を失わせる、出来なければつっこまれる…というのが、相棒となったティーダの習慣であった。
そう言えばライトは掘ったことも掘られたことないらしい。ひたすら殴り合っていたとか。
それはそれで怖いが、自分に対するこの扱いは何なのか、一度聞いてみたいと思ったりもする。
ずっと考え事をしているとフリオニールは獣のような感覚で察知したのか、苛立ちを露わにした。


「は、…あ、うあっ」
「五月蠅い」


フリオニールは生憎ティーダからは見えないが、目をぎらぎらさせながらティーダの右手を押さえていた手を外して指を2本口へと入れた。
思わず呻いたティーダに気を良くし、ずくんと奥まで突く。
ティーダは口内で動き回るフリオニールの指を噛み、絶頂を堪える。
上着を捲られて見える腹や床に自分の精を放つ。
がくがくと震える膝が限界の悲鳴を上げ落ちそうになった。
しかしフリオニールに片手で腰を支えられ、それは叶わなかった。
荒い息を繰り返す内に口内に鉄の味が広がっていく。気付いた時にはもう遅く、フリオニールは指と自身を抜いてティーダの身体を反転させた。
中に出された精が太股につたり、気持ちが悪い。
顔を上げるとかなり不機嫌なフリオニールと目が合った。
喰われそうだ、と他人事のように思っていたところ、背中を壁の方に押されて唇を噛まれた。
初めてキスされた、と分かった時には舌を取られ口内を掻き回されていた。
本当に喰われているようだ。


「ふっは…あ、」


上に気を取られていると徐々に自分の足から地面につたる血の混じった精を掬い、ティーダの右足を持ち上げる。
背中が痛いが、聞き入れてもらえる筈もない。
覚悟を決めてフリオニールの首に腕を回そうとしたところ、ぐっとフリオニールのそれを押しこまれた。
バックよりも苦しい体勢に、肩を掴んで衝撃に耐えようとした。


「う、んんっ…んむっ!」
「…っ」


思いきりフリオニールの肩を掴んだため、手袋の上からでも分かるぐらい爪が喰い込み息を呑んだフリオニールの吐息を口内で感じる。
ぞくぞくと寒気が走り、自身から溢れだす精が止まらない。
呼吸が上手く出来なくて苦しくなる。そんなティーダの様子に気付いたのか分からないが、フリオニールは唇を離し舌だけ絡め合い、唾液を共有しやがて離れた。
ぐちゅぐちゅと結合部からいやらしい音が響き渡り、思わず腰を揺らしてしまう。
フリオニールが目を細めて、奥へと押し入った。


「あ、ん…あああっ!」


一際甲高い声を上げて、ティーダは何度目かの絶頂へと向かった。
これで終わりかと思い、重力に向かってずるずると下がっていくと、フリオニールはぎりぎりまで抜いたところで再び押し入ってきた。
息を呑んだティーダは、顔を真っ青にする。


「え、ちょ…っく、んぁ…も、むりっ…!」


フリオニールはティーダの言葉を無視した。
下半身に力が入らない状態に気付いたフリオニールは軽く舌を打つと、両手でティーダの腰を支えて再び上りつめた。








フリオニールが我に返ったのは、ティーダの足腰が立たなくなった後であった。
我を忘れても記憶がなくなるわけではないので、フリオニールはティーダにしたことをほぼ全て覚えている。
ティーダにしたことを思い出し顔面蒼白になったフリオニールは、肩で息をし座り込んだティーダにおそるおそる声を掛けた。


「だ、大丈夫か…?」
「…んなわけないって、分かるだろ…?暫く殴って意識飛ばすだけで済んでたから甘く見てたけど…お前、絶倫ッスか…?」


中からフリオニールに放たれた精を掻き出す元気もなく、掠れた声で言う。座ったそこから地面に染みをつくるティーダの姿は酷く卑猥である。
ごくりと唾を呑みこんだフリオニールは、跪いてティーダの腹に落ちている自分のか彼のかよく分からない精を掬った。
思わず息を詰めるティーダに、苦笑を浮かべる。


「そのままでは腹を壊す。身体を反転させて…そう、支えてるから少し我慢してくれ」


ティーダはよたよたと動き彼の言う通りにした。
フリオニールはティーダの腰を肩腕で支えて違う方の指で掻き出す。ティーダの言うように以前に比べてかなり多い。
いつも通り血も混じっており、出来るだけ中の傷に触れないようにそっと全てを掻き出した。


「謝って済む問題ではないが…すまない…」
「…ばかッスね。そんなの承知で組んでるだろ?」
「だが…」


スーツの内ポケットに入れていたハンカチでティーダの身体を拭くフリオニールに、にっと笑った。


「じゃあ、今日は一日オレと過ごすってことで。って言ってももうあんまり時間ないけどさ」
「……分かった」


フリオニールが手を差し出すと、ティーダは迷うことなくそれを取って立ち上がった。
ティーダのふらつく身体を支え、自分たちの組織に戻るために足を進めた。




※おまけ

「…フリオニール」
「何だ?」
「オレにキスしたの、覚えてる?」
「……ああ」
「何でしたッスか?」
「……多分、喰いたかったんだと思う。そうしたら満たされるんじゃないかって思った」
「へえ…(やっぱ喰われそうだったんだ!気をつけよう…)……あともうひとつ」
「ん?」
「オレら、足ないッスよね?セシルたちは片付けで忙しいし…もしかして、徒歩帰り?」
「……タクシーを呼ぶか(電話をする)」
『もしもーし!チョコボ乗り場だぞ!』
「02だ。すまないが、××交差点近くにいるから迎えに来てくれ」
『またティーダ抱き潰したのかよ。せめて帰るまで我慢できるようになれよー純情少年。まあ、金取れるからおれにとってはいいんだけど』
「……善処する」
『それじゃ、10分ぐらいで着くから待ってろよなー(ブツッ)』
「……フリオ、」
「どうした?」
「腰痛いからバッツのチョコボはちょっと…辛いんだけど」
「そうしたら…頼んだことはないが、06に魔導アーマーで迎えに来てもらうしか…」
「……いいッス。我慢する」

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実はフリオニールの二代目お目付役ティーダ(一代目はライト)と二重人格のようなフリオニール。誰だよって感じですね。


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