Tragedy = Comedy1 | ナノ


Tragedyprologue




『我が片腕となるがいい…』


あの日…エクスデスに敗北した時に、そんな声が聞こえたような気がした。
誰がカオスの手先になるか、と言い返すことも出来ず、咳を繰り返し、血を吐き出した。
左の腹がぱっくりと開いている。血が止まらずに心臓がどくどくと鳴っていた。

(みんなは無事だろうか…)

自分の死期が近いと悟った時、まず考えたのは仲間のこと。
色んなタイプがいて、寡黙な奴から熱血な奴、ませた奴等と一緒にいるのは楽しかった。
エクスデスと戦うために一人次元城に移ったため、彼らの安否も行方もバッツには分からない。

(…あの子…ティナも…助けられなかったな…)

それは、同じくコスモスに呼ばれた戦士の一人であるが、カオスの駒とされている、少女のことだった。
彼女とコスモス…おれたちのところにいた時間は少なかったが、彼女は仲間であった。
儚い笑顔の似合う少女。それが駒にされてからは、無表情のままだった。
自分の目の前でカオス側に連れ去られた時に、激しい憤りとともに悔しさを感じた。

(…もう少し、…話を、したかった…)

再び咳を繰り返し、血の混じった痰を吐く。
指さえも自分の意志で動かすことは出来ない。ポーションを取ることも出来ない。
バッツはゆっくりと目を閉じて、自分の死期を待つことにした。




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -