小説 | ナノ

Mirror

グロスが取れかかってるぞ。

ほら後れ毛、直すからこっちこい。

ピアスが少し曲がってるぞ…よし、これでいい。

今日のメイクにはリップはこの色だな。

「昴さんって、鏡みたい。」

「あぁ？」

「だって、いつも私の見えない箇所を直してくれるじゃない？」

「私、昴さんと一緒にいる時はポーチから手鏡を出した事ないもの。」

お前を映すのは

この俺だけでいい。

この俺の瞳だけでいい。

(鏡よ鏡。この世で1番美しいものは、なあに？)

それは

俺の瞳に映る

君の笑顔

Mirror

▲ ▼
MENU