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Le pudding a la mode


catered by ふわり


「すっごいいい天気だ…!」

カーテンを明けて、日差しを浴びながら、うーんと背伸びをする。

今日は、久しぶりに石神さんとのデート。

またまたスイーツバイキングを食べに行くことになっていた。

バイキングは午後1時から5時までで、石神さんは仕事のため、開始時間には間に合わないけど、必ず行きましょうと言ってくれていた。


わたしはその間に、洗濯や掃除、勉強を済ませ、のんびりと時間を過ごしていた。



「あ…眠くなってきた………」

わたしはテーブルに突っ伏して、意識を手放した……










気が付くと、時計の針は3時半を過ぎていた。

携帯を見ても、着信はない。

「今日は…無理なのかな……」

わたしは小さくため息をついた。

♪〜♪〜♪

すると着信音が流れて、待受には『石神さん』の文字が。

「…はいっ!もしもしっ!」

わたしは速攻で電話に出た。

『甘子さんですか?石神です。』
「はい!」
『遅くなってすみません。』
「いいえ。気にしてません。」
『もうすぐアパートの前に着きますから…。待っていてください。』
「はい!」
『あ、戸締まりは忘れないようにしてくださいね。』
「はいっ!」
『では、後ほど…』
「はい、待ってますね!」

通話が終了し、ボタンを押した。

わたしは戸締まりの確認をして、部屋を出ると5分もしないうちに石神さんの運転する車が到着し、わたしは車に乗った。





石神さんのデザートバイキングのお目当ては、プリンだ。
しかも、今回は、スペシャルなプリンアラモードがあるとかで、石神さんも前から楽しみにしていた。

のに…

「食べ放題なはずなのに、売り切れってどういうことですか…?」

石神さんの眉間にシワが寄る。

「私は今日のプリンアラモードを食べることを夢見て仕事を頑張っていたんです。」
「えっ!?」

真顔で言う、石神さん。

「何かおかしいことを言いましたか?」

石神さんは、軽くわたしを睨んだ。

「い…いいえ……(石神さんって可愛いとこがあるんだな…)石神さん!とりあえず、あるのだけ食べましょうよ!お金払っちゃったんだし、食べなきゃ勿体ないですよ。」
「はあっ…」
「さ、何を食べますか?」
「………」
「石神さん?」
「………」
「石神さんっ!」
「…あ、ああ…」

石神さんは、そう返事をしたものの、空いているお皿をじっと眺めていた。

「もう…………わたしがプリンアラモードを作ってあげますから!機嫌を直してください!!ここにあったようなプリンアラモードは作れないですけど!!」
「…じゃあ、行きましょうか。」
「えっ?」
「こんな場所で食べる物より、甘子さんが作った物を食べたいですから。早く行きましょう。」
「え(変わり身早いよっ!!)あっ…はいっ!!」


わたしたちは結局何も食べずにホテルを飛び出した。




そして、石神さんの住むマンション近くのスーパーでプリンを2個と、生クリーム、いろんなフルーツがカットして入っているセットと、料理はしないだろう石神さんが持っていない(と思う)ハンドミキサーを購入し、マンションへ向かった。


「お邪魔しまーす…」


久しぶりに入る石神さんの部屋は相変わらず生活感がない。


「石神さんは座って待っててくださいね。」

わたしは早速キッチンに向かい、プリンアラモード作りを開始した。




生クリームをハンドミキサーで撹拌すれば、あとはお皿に可愛くプリンやらフルーツを載せ、生クリームを添えればあっと言う間に完成。


テーブルに運び、石神さんが一口食べる。

「…どうですか…?」
「このプリンアラモード、今まで食べたどの物よりも、甘くて………美味しいですよ?」

優しい表情の石神さんに、わたしはホッとして、一口食べる。

生クリームは甘さ控えめにしたからプリンの甘さと絡まって程よい仕上がりになっていた。

「今…キスしたら…貴女の唇も…甘いでしょうね…」
「っ……!」

石神さんに、顎をスッと持ち上げられ、そっとわたしに口付けると、舌で軽く口内を舐めて、唇が離れた。

「甘い………最高のプリンアラモードです。」


再び唇が重なり、わたしは石神さんの背中に手を回した。





(石神さんのキスも、いつもよりとっても…甘いです……)

end



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