小説 | ナノ





Mont Blanc aux marrons





玄関を開けて


駆寄ってくる君を


力一杯抱きしめた



「……大地さん?」



「……ありがとう。」



「どうしたんですか?急に……」



「いや、モンブランの礼がちゃんとできていないと思って。」



「……美味しく食べてくれれば良いんです。」



彼女の細い腕が背中に回ったのと同時に


そっと彼女の額に唇を落とす



「……また作ってくれるかい?」



「もちろん、貴方が望むなら。」




あぁ、まったくこの娘は





そそっかしい

そんな君が


唯一無二の存在

そんな君が


世界で望むもの

それは君




そんな君が


愛おしい













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