小説 | ナノ





Mont Blanc aux marrons


catered by ジェジェ




さて


何から切出そうか


悩む俺を余所に


彼女は瞳を光らせながら俺を見つめる



―…状況が呑み込めん……






時を遡る事2分前 (大した時間じゃない)



3日ぶりに帰宅した俺に走寄り


プレゼントがあるのだと言いながら


リビングに走込み、テーブルに置かれた


皿を目の前に曝け出した


「……モンブラン?」


「大地さんずっと食べたかったんですよね?」


―…昴さんに教わって作ったんです。



「……………」





*モンブランが食べたいと言ったか否か

記憶に無い


*俺がいない間に昴と一緒に作ったのか?

許せん


*誰かが俺がモンブランを食べたがっていると言ったのか?

誰だ、そんな適当な事を言っているのは







「……大地さん?」


「あ、いや……嬉しいよ。」


「ふふ、デザートに食べましょうね。」


状況がイマイチ呑み込めないまま


モンブランを呑み込み



夜は過ぎて行った








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