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「……ぃご、けーご。起きてや」

優しく肩を揺すられゆっくりと瞼を開けると、真っ先に目に入った見慣れた顔に口元が緩んだ。

「おはよ、景吾」

俺に微笑みながら挨拶をしてくる様は何とも可愛く、身体を起こして額に口付けると軽く耳を赤くした恋人にいとおしさが溢れる。

「おはよう、侑士」

腰に手を回し自分の方へと引き寄せると侑士はクスクスと笑みを浮かべながら首へ手を回してきた。

「朝御飯出来とるで?」

「悪いな」

「別にそれくらい良いんに、んっ」

言葉を続けようとする唇に何度も啄むようなキスを落とすと、すぐに酔ったように目をトロンとさせ、もっととせがむように唇を合わせる。

「んっ、ん」

無意識のうちに漏れている吐息は俺を興奮させる一つの材料。Tシャツの隙間から手を入れ背中を撫で上げると唇の感触が遠退いた。

「景吾、まだ朝」

「煽ったお前が悪い」

行為を続けようと顔を近付けると侑士の手によって止められた。

「……嫌なのかよ?」

「い、嫌やないけど…」

「けど?」

「部活遅れるやん」

時計に目をやって今の時間を確認する侑士をそのままベッドに押し倒した。

「景吾!?」

目を丸くした侑士に噛みつくようなキスを仕掛ける。息さえも奪ってしまうような深く、そして甘いキス。舌を絡めあうとどちらのとも言えない唾液が重量に従って侑士の顎を伝い落ちる。
数十秒後、息苦しそうに胸を叩く身体から唇を離してやると乱れた息を整えようと必死に息をしている。

「続きはまた、な」

口端を上げて笑うと軽く睨まれる。

「…そんなん…ズルいわ」

聞こえてきた言葉にまた笑いが溢れた。

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