突発的 | ナノ


▽ 転生系モブのやつ


もう早何十年ともたったような気分で、私はここにいた。
実際はわからない。
本当に何十年もたっているのか、本当はたっていないが私に訪れる現象なのか。

かの夏目漱石のかいた吾輩は猫である、名前はまだない。
と同じような表現ができることに気付いたのは、一年目の初めであった。
私には名前というものがない。
あったのかもしれない。
いや、確かにあったが靄がかかったように思い出すことはない。

私のような存在は大勢いる。
むしろ、名前のある人間というのはごく少数派であり、そちらの方がおかしいのだ。

しかし、どうやら分析したところ、
名前のある人間のほうが位は高く必ず死ぬことがない。と決定づけられている。
この不思議な現象が何を意味するのか私は知らない。

ただ、私は同じ名前のない大勢の人間とは違うようだった。
今、私は男であるが女だった時の記憶があるのだ。
それはもう、鮮明に。
けれど、その頃の、女であるときの感情というものはなく、
ただ単にものの名前などを覚えているだけであった。

なぜ、覚えているのかは知らない。
それでもその頃の記憶は役にたち、重宝している。

それでも、わからないことはまだまだあるのだ。
現時点で私についてわかっていることを纏めてみると、こうなる。


・名前がない。
・五年い組に在籍している。
・なぜか女である時の記憶がある。その時は、はるか遠く未来のことである。
・実技より座学のほうが得意。しかし実技が劣るわけではない。
・色の授業で無駄にいい点をとる(らしい)。実のところよくわからない。
他のものもこのことは知らない。が、なぜかわかる。
・同室者、竹谷八左エ門。
が、認識されておらず寝る時も隣で寝ているが気付かれたことはない。


今のところはこれぐらいにしておこう。
次に私と同じものについて。


・感情がある。といってもかなり薄い。
・名前があるものには認識されない。
・委員会などはとくに設定されていない。
・上級生においては、死ぬことが多い。
・名前があるものの後ろや近くにいると猛烈な光があたることがある。
・各学年一人ずつ同じものの中でも目立つものがいる。


今あげておくべきはこれぐらいだろうか。
上から五つ目については数多くの者が体験しているらしい。
光に当たったからといって何かが起きるというわけではないらしい。
次はこの世界について。


・何十年も繰り返されている。
名前のある者は自覚しておらず、ない者は自覚している。
・名前のある者とない者にわけられる。
・年によっておこることが違い、たまにない者からある者へと昇格されるらしい。
・毎年、ある一定の名前のある者に加えて急にしらない人間がでるらしい。


この世界は謎だらけだ。
何がおこるかもわからない。
まとめは以上だ。
次は、そうだな・・・。
ある者の特徴と同室、竹谷八左エ門との関係について話そうか。

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