▽ 「貴方のこと、本当に好きだよ?」
「ねぇ、左門。どうして違う人ばっかり見るの?私を見て。
ねぇねぇ左門。好きよ、好きよ、大好きよ?」
どうしてそんな目で私を見るの?そんな怯えている目、しないでよ。
まぁそんな目をする左門も大好きだけれども。
左門のこと愛して愛して愛してるの!世界で誰よりも大好き!愛してる!
ノリが軽い?嘘もみたい?そんなわけないでしょう?
私の左門の愛は誰よりも大きいの!貴方が口を出す問題じゃないわ。
「左門が私を幸せにしてくれるんでしょう?
だったら他の人間なんて見ないで?女なんかもってのほかよ。
あんな醜い女どもを見たら左門が汚れちゃう!男は・・・そうね。
三年と委員会の子は見逃してあげる。でも、それ以外のひとなんて駄目よ?
先生はしょうがないけどシナ先生は駄目。毒気にあてられるわ!
左門は私だけを見てればいいの!わかった?
左門は私だけのもので私は左門だけのものなんだから!」
「あ、あぁ」
「じゃあ、委員会頑張ってね?
左門に隈ができないよう、亥の刻には絶対に迎えに行くから!」
「わ、わかった。じゃあな!」
あーあ、なんでだろう。左門に最近避けられてる気がする。
私なにか悪いことしたかな?こんなにも愛してるのに。
私はね、左門のことなんて全然意識してなかったの。何も知らなかった。
ただ何も知らず普通に生きて忍びやってたの。
そんな私にいきなり告白してきたのが左門だった。
勢いでうなずいちゃって晴れて恋人になった・・・んだけど
私は本当何にも知らなくて。
それを左門が教えてくれたの。
楽しい、嬉しい、好き。
ぜーんぶ左門のおかげ。私は左門が大好きになった。
でもね、そう気付いたとたん私たちの周りの全部が邪魔に見えたの。
どうして何の関係もない貴方が左門に話しかけるの?
私と左門の話に割り込んでくるの?
なんで左門をひもで縛ってるの?どこにいくつもり?
あぁ!あの子が引っ張るから左門まで一緒に落ちたじゃない。やめてよ。
なにあの先輩。左門にあんな重いそろばんもたせて水の中で寝ようとするの?
可哀想可哀想可哀想。
邪魔
邪魔邪魔
邪魔邪魔邪魔
邪魔邪魔邪魔邪魔。
全部邪魔。
でも、全部とるのは私のわがまま。だからせめてもの人数だけ。
それ以外は左門を見ちゃいけないし左門と話しちゃいけないし、
左門が見ることも許さない。さっきもいったように私を見ればいい。
「そういうわけ。わかった?浦風」
だからあんたも必要以上に左門を見ないでくれる?
そういった私を見る浦風はどこか怖い表情をしている。
「苗字、本当に左門を愛してるの?」
「あら、なんでこの流れで疑うの?
左門のこと、本当に好きだよ?」
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