突発的 | ナノ


▽ 神に懇願



「そうだね、君の言うとおり私は神という存在だ」


球体はそう発すると、人型にかわる。
かわったかと思えばそこにはイケメンがいた。


「君はまだ正しそうな子でよかったよ。
今までの人間は、皆私を見ては命令をしたんだ。


さぁ、もう言いたいことはわかるよね?
こういう展開が大好きな君に問おう。
忍たま乱太郎の世界に行きたいか?」


私にはyesしかなかった。
拒否権がないのは薄々気付いているが、
まず私がこんなチャンスを逃すはずなんてない。
それほどまでに、私は落第忍者乱太郎、もしくは忍たま乱太郎に惚れ込んでいたのだ。

ギャグ漫画の影に潜む暗い世界。
彼らがそんな中で手を汚している、というのは興味をそそられた。
これは友人におかしいと言われたが。


「もちろん補正のようなお願いを聞いてあげよう。さぁ、何がいい?」


それなら、と私は神様を見据える。


「忍術学園の生徒がよく利用する町の、簪屋の娘になりたい。補正なんていらない。
私は見てるだけが大好きで、実際に恋仲になりたいと思わないから。
出来ますか?神様」


あ、兄がいたら嬉しいです!
と笑みを浮かべる少女に神様は少し驚いたようだ。
まぁ、それも仕方がないことなのだが。
なんせ今までの人間は逆ハー補正やら最強にしろだとか煩かったのだ。
それでも、豆腐屋か茶屋など関わりのあるところだと思っていたら、
関係性のない簪屋。
あったとしても女性への贈り物か、女装用のものを買いにくるためしかない。
欲がないのか、裏があるのか。


「いいだろう。すぐ送るよ。君は生まれるところから始めるんだ。
あ、そうだ。君以外にもたくさんいるよ」


バイバイと手を振る神様を傍目に意識は底へ。
引っ張られる痛みに浮上した意識で声をあげれば、転生したのだと物語った。


「おぎゃあおぎゃあおぎゃあ!」

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