普通はバッドエンド、
別視点ならハッピーエンド
亥の刻、現代でいうなら午後10時といったところでしょうか?
少し時間が早いのではないか・・・。とは思いますが
やはり死体の処理、というものがありまして。
瀬川先輩によれば裏山あたりに埋めよう、ということに決まったようです。


埋める、といっても綾部喜八郎君は不参加です。瀬川先輩と私だけ。
だから少し時間がかかっちゃうんです。すぐ見つからないよう
深く深く掘りたいですし、10時なら下級生は寝てますしね。


そんな計画で今私は、裏山で待機中。
瀬川先輩が天女を連れてくるのを待っています。


「それよりも雪乃介君。どうして愛子をここにつれてきたのぉ〜?」


甘ったるい声が森に響き渡る。渾身の演技お疲れ様です。


「それはですね・・・」


先輩の合図に従い殺す手筈を整える。とある気配に気付かないふりで。


「あなたに償ってもらうためです」


「きゃあ!」


先輩のもつクナイが神野愛子に突き刺さる。
白い腕から飛び散る赤い飛沫を浴びる。
本当は傷付けたくはないのだが傍観者信者じゃないといけないから
タイミングを見計らって少しずつ赤い線をつける。


「誰だ!」


先輩の声に反応した六つの人影。
もう皆さん、おわかりですかね?


「雪乃介、すまないな。私達もソイツを始末しにな」


「仙蔵?なぜ・・・」


現れたのは天女信者のはずの6年生。
あ、私はもちろん知ってますよ。
こんな光景いくらでも見てますからね。


「な、なんで!?私を好きなんじゃなかったの!?」


「何を言っている、俺たちがお前なんかを好きになると思っていたのか」


「今まで負担かけさせてごめんね、雪乃介。後は僕たちがやるから」


「・・・っ」


「・・・泣くな」


あーあ。なんか私は邪魔者のようで。


「何なのよ!私は逆ハー主なのに!」


逃げるように走り出した神野愛子。そっちは崖だよ?大丈夫なのかな?


「あっ!」


「ただの女が私から逃げられると思っていたのか?
バカだな、天女サマは!」


七松小平太の声が決め手となったのか何かを呟いた

「アイツさえいなかったらこんなことにはならなかったのに・・・誰かを道連れに・・・」




よしよし、それでよし。




バッドエンド?
いや、ハッピーエンドだね


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bkm
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