「先輩、僕も混ぜてください」
アプローチをかけてみた。
「何のことだ」
「天女こと、神野愛子の殺害計画」
「・・・・誰に聞いた」
「私が勝手に情報収集をしたんです。
私も、アイツが許せなくて・・・・」
口から嘘を紡ぎだす。
嘘をつくことにもなれた。
先輩はそれに気付かないようで
私を優しく抱きしめる。
「つらかっただろう?
お前が手を汚さなくていい。
私があの子を追い出してあげるから。
待ってて?
君の居場所はここにあるよ」
その言葉はただの慰めにしか聞こえない。
まぁ本当に精神が参っている人間には
救いの言葉にも聞こえるのかもしれないが。
「私は五年生です。
手遅れですよ、手は真っ黒。
お願いですからともに行かせてください」
「・・・なぜ」
「彼女が嫌いだから。
本気で殺してしまいたいと思うから。
このまま先輩が一人で行ってしまっても
私の感情は消えないから」
「・・・苦しくなったら言え」
「行ってもいいんですか?」
「・・・あぁ」
拒否されたらどうしよう、
なんて心配はいらないようだ。
「明日の宵、亥の刻より裏山で行う。
天女は私が連れてくる」
終幕は近づいてる。けど、あれ?いないな。
まぁ、計画のうちだけど。
本番前、役者が揃ってない