誰にも見られぬ丑三つ時。
一回だけ話せる時間。
久しぶりに言葉を交わした。
「やっと話せる」
「そうだね、やっとだ。神野愛子はどうだい?」
「ん、順調じゃない?瀬川雪乃って子、私を殺そうとしてるのでしょ?」
「やっぱり気付いてた。それでこそ僕の愛した人だ。はぶれものたちも気付いたのか集まってきているし」
「やっぱり?皆の目がだんだん殺気づいてきてると
思ってたのよ。それでもいつもより人数は少ないほうね」
「そりゃあ、いつもは補正をといたあと皆で来ることが多いしね。でも君が傷つけられるのやだな。
人数が少ないといっても"あいつら"には気付いているのだろう?」
「えぇ、気付いてるわ。
でも傷つかないとならないのよ。私と貴方の罪なんだから」
「そう・・・だね。でもこの世界で終わりだろう?
最後の最後にはハッピーエンドがよかったな」
「許されないまま最後まできちゃったね・・・。
ほら、もういきなよ。貴方は雪乃側につかないと
いけないのだから」
「わかった。じゃあ、あとでね」
二人の罪。
罪名は殺し。
償い方は
女は100の世界で傍観主に殺されること。
男は傍観主側になりそれをみていること。
なお、罰として100の世界で殺されたあとは
輪廻の輪に入ろうとも、
二人は必ずめぐりあわないこととなる。
殺しにもいろんな形がある。
相手の心を壊すことも殺しに入る。