「先輩が愛子さんを傷つけたんだ。
これぐらいやられて当たり前ですよね」
「ちがっ!私は何も!」
「証拠はいくらでもあるんですよ。
愛子さんの腕を傷つけたのも貴方じゃないですか」
ここは五年の校舎裏。
いるのは久々知くんを除いた仲良し五人組。
彼がいないから四人組かな?
反論はするも聞き入れてもらえず殴り蹴られ傷つけられ続ける瀬川雪乃介。
「どうして・・・」
「もうすぐ授業始まるし行こうよ」
「愛子さんを傷つけた先輩がいけないんです。
次、こんなことがあったら先輩であろうとも容赦しませんから」
捨て台詞を残し去っていく彼ら。
どうやら彼らは本気みたい。
「愛子・・・。私は何も悪くないのに」
そう呟く瀬川雪乃介。いや、雪乃。
これは彼女の過去と同じ展開。
ここに来るまでに彼女が受けた仕打ちと同じ。
だんだん彼女の心は荒んでいく。
「このまま、私の居場所がなくなってしまう?
どうすればいい?あの時のように・・・私はまた・・・
一人になっていくのか?思い出せ。
私はあの時何を考えた?そうだ、思い出した。
・・・・・・あの女を私が、消せばいい」
そう、それでこそ傍観主