ねぇ、名前。結婚しよう。

「お母さん、お母さん。喜八郎が壊れたー!」

「こら、名前!私はお母さんではない!喜八郎もおかしいだろ!なんで新婚したばっかりの設定なのにプロポーズしてるんだ!」

私たちは馬鹿なことをしている。自覚はある。
だが!これはゆずれない!小さい女の子の定番の遊び!おままごと!

「お前は小さい女の子ではないだろう!」

「わーん。貴方ぁ!助けて義母さんがいじめるの!」

「よしよーし。ママもいじめないでよ、名前が可哀想じゃないか」

「一体いつから嫁姑の話になったんだ!」


ごほん。収拾がつかなくなる前に説明しよう!私たちはおままごとをしていた!

新婚設定で夫が喜八郎。で、嫁が私。夫の母が滝夜叉丸。
滝夜叉丸はいやいやながらも参加してくれたけどなんか怒ってる。別に嫁姑でも楽しければいいと思う。

なんでおままごとなんかやり始めたかというと、

暇、だったから。

うん、それだけ。私たちにとっては死活問題。
で、近くにいた喜八郎に相談すると自然にこの流れへ。私自身もよくわかってない。多分私と喜八郎が幼馴染でおままごとをよくやってたからだと思う。結構楽しかったりする。


それに、さっきのことも実を言うと嬉しかった。
これは秘密なんだけれども私は喜八郎が好きだ。小さいころから本当に好きだった。
喜八郎の頭からつま先まで全てを愛し続けている。まぁそんな思いもきっと伝わっていないのだろうけど。

「ねぇねぇ、喜八郎。さっきのプロポーズもう一回やって!」

「え?まぁいいけど。

ねぇ、名前。結婚しよう」

「はい、喜んで!」

そんなにビックリしないでよ。
遊びだと思ってもらって構わないから。


「名前、大好き」

「え?」

滝夜叉丸の目の前で喜八郎が私に接吻をしたのはまた別の話。




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