なぜか記憶をもって転生していた俺、久々知兵助は今日も近くの豆腐屋へ足を進める。
高校生活は楽しくて皆もいるけどただ一つ心残りがあったものがある。

それは前世で付き合っていた名前。どこを探してもいない。勘ちゃんや三郎たちにも探してくれるよう頼んでいるが転生してから一度も見つかっていない。

「こんにちは、兵助君。今日は何がいいかしら?」

この人は豆腐屋のおばあさん。この人のつくる豆腐は神かと思う時がある。

「じゃあ、絹で」

「わかったよ。そうだ、今日はオマケしてあげよう。木綿でいいかい?」

「そんな、いいですよ」

「受け取っておくれ。今日は孫がきていてね。その子も豆腐が好きだから多く仕入れてあるんだ」

「・・・それじゃあ、もらっていいですか」

「いいよいいよ、どうぞ」

「ありがとうございます。明日もきますね!」

「待ってるよ、ありがとうねきてくれて」

「当たり前ですよ。では!」

今日はオマケまでしてくれた。ラッキーなのだ。
でも、孫にあってみたかったな。豆腐が好きなんだからきっといい人なんだろうな。

「待ってください!」

「へ?」

後ろを振り向くと知らない子。
靡く茶髪はまるで名前を思わせるよう。

「兵助、久しぶり」

「ん?・・・誰ですか?」

見覚えもないのだが・・・。

「わかんない?あたしだよ、あたし。


・・・ヒントは兵助を愛していること!」

「・・・もしかして

           名前?」

「当たり!・・・会えて、嬉しいよ」

「俺も・・・。今までどこに?」

「九州のほうに。今日はおばあちゃんの家に来てて、さっき兵助の声が聞こえて。
思わず駆け寄ってきちゃった。・・・ねぇ、あたしのこと。好き?」


そんなの・・・


「大好きに決まってるのだ!」




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