「数馬ー、大丈夫か?」

「大丈夫ですよ、兄上」

「気をつけろよな、お前は危なっかしいんだから」


初めまして、読み手のみなさん。
三反田家長男、三反田名前です。

今日は俺の可愛い弟である数馬と
お出かけ(初めて忍術学園まで送ってくの)だ。

行く途中、


「なんか、欲しいものあるか?」


俺がなんでも買ってやる、というといつも数馬は困った顔をする。

自我が芽生えた時から他人のような態度をとるようになっていた。
兄上、だとか敬語を使ってくるんだ。

理由はよくわからんが少し距離をおいているのは確かだ。


「あぁ、もうしょうがないな。一緒に団子でも食べよう」


こうやっていつも俺が最終的には決めて一緒に行く。
数馬には子供な一面があるのに、親にはみせても
俺には見せてくれないんだよな。

あと、極端なおっちょこちょい。何もない所でこけたりすることがよくある。
俺や母上、父上はそんなことがない。ただ数馬だけが異様に危なっかしい。
そんなだけでは怒ったりしないのにいつもこけた後はビクビクしている。

内心、ちょっと悲しかったりもする。

あとは・・・髪の毛ぐらいか?まぁ俺も異質なんだが。
母上も父上も髪色は黒。
それに対して俺は血のような赤色、数馬は桃や紫に近い色。

突然変異にしてもちょっと度がありすぎだと思っている。
この髪のせいで当然いじめられたこともある。
俺にいたってはなぜ血を頭からかぶっているんだ。などと問われることもあった。

数馬はそんな髪色を気にしていた。過去形なのは今はあまり気にしていないから。
親に話しているのを少し聞いただけなんだが、
数馬のいく「忍術学園」には金色をした髪の毛や緑色だっているらしい。
だから自分は異質だという感じがのいたんだろう。


あ、当然のごとく俺には何一つ話してくれたことはない。
俺は「忍術学園」には行かず家業を継ぐために毎日父上から指導をうけている。

忍術学園には行ったことあるけどな。
帰省時に忘れていった数馬の愛用の武器。
たまたま暇だったので俺がいってやった。

玄関前にて土下座され周りの上級生と思われるやつらからの疑惑の目や
同級生や下級生の冷たい目に何も言えず、土下座させ続けてしまった数馬は
今も強烈だ。

そんなこんなで忍術学園前。今まで回想し続けれたのは、
この無言のせいである。ほとんど何も喋ってくれない。
お兄ちゃんはさみしいです。


「じゃあな、数馬」

「あ・・・、はい、兄上。送っていただきありがとうございました」

「おう、またいつでも送ってやるからな!」

「いえ、お手を煩わせるのはいけませんので・・・」

気にするな!という言葉をかけ頭を無理やり撫でる。
数馬の髪の毛はふわふわしていて好きだ。
さて、帰るとするか!


「数馬!頑張れよ!」

俺が最後にみたのは少し嬉しそうにみえる(俺の妄想かもしれないが)愛しい弟の顔。
なんか距離が縮まった気がして嬉しい。




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