ドタドタドタドタ!
あぁ、もう煩い!誰だ、俺の邪魔をするやつは・・・!
さっきから小平太も五月蠅いし!
・・・まさかアイツか!
「小平太!バレーするわよ!」
「おう、ちょうど私もお前の所に行こうと思ってたところなんだ!」
「だったら手間が省けたわね。さっ早く行きましょ!」
「今日こそ名前のサーブを受けてやるぞ!」
「ははっ!出来るもんならやってみなさい!」
ドタドタドタドタ!
・・・やっと出ていったか。
あいつらは化け物だ。この俺、潮江文次郎が言うのだから間違いない。
普通の忍びと比べても遥かにありあまるであろう体力と力をもつ。
さっきの二人はとても仲がいい。んだと俺は思う。
男のほうは七松小平太。
俺の同級で頭は悪いが実技の成績がよくろ組にいる。
あいつのバレーはアタックの攻撃重視型。
とはいいつつ一人でサーブトスアタックをやるのだから結局はオールラウンダーだ。
女のほうは苗字名前。
武道派くのたまの代表で六年生という立場だ。
あいつも頭が悪いが実技の成績は俺よりも遥かに高く、
唯一小平太と競り合える人物だともいえる。
バレーも攻撃重視のオールラウンダー。
小平太と違うところは小平太はアタックで決めるが、
名前の場合はサーブで決めるのだ。
もちろん追いつけるのは小平太のみだが、
最近は腕をあげたらしくなかなか追いつけないらしい。
まぁ要約すると化け物だというわけだ。
きっとこれは仙蔵や長次に聞いてもそう答えるだろう。
しかし、欠点はある。
「こら、名前さん!貴方座学の補習があるでしょう!」
「げっ!・・・シナ先生」
「お前もだぞ、小平太!」
「うっ・・・文次郎!なぜ言うんだ!」
「お前らのためだろうが!」
この頭の悪さだ。必ず座学の補習が入る。
六年生にもなって就職先を探さないといけないというのに鍛錬が足りん!
「なぜ座学の成績は落ちるんだ」
「「考えるのなんか嫌いだ!」」
そういうと思った。
「なんだ、そんなこともわかっていなかったのか文次郎」
「・・・仙蔵」
「そいつらが本能にしか従わないことをよく知っているだろう?」
「あぁ、そうだが・・・。さすがに酷くないか」
この前0点のテストを見たぞ。
そう告げる前から仙蔵は諦めた顔をしている。
よくわかるぞその気持ち。
「こいつらに座学なんていらないだろう。
・・・・あぁ、そうだ。朗報だぞ。
午後から忍たまとくのたまで合同実習だ。
ちなみに、補習で合格点をとっていないものは行けないらしいぞ」
「「先生、補習します!」」
「おい、小平太。あんまりはしゃぐなよ!」
「わかってる!けど楽しみなんだ!」
「お前はな・・・」
「小平太!ワクワクするわね!」
「そうだな、名前」
「名前、お前もか」
無知を気取る少年少女
(ただ頭に入ってないだけで、結局は体が覚えている。
無知だなんていわない。むしろ博識だ。)