委員会から帰った俺に時葉零が話しかけてきた。
「四年生の鷲野龍之介先輩がよんでたよ。
部屋にいるらしいから。部屋は四年長屋の一番奥」
鷲野龍之介先輩・・・?
知らない先輩だな。
挨拶をして入ってみる。
そこには少し嬉しそうにこちらをみる顔。
なぜ?
要件を聞くと、少し寂しそうな顔をする先輩、
急に小さく発声しだしたかと思うと
「気付いて、誠」
その声の主は、俺にとっての
"大切な人"
だった。
「・・・──?」
「大好き、愛してる。
でも、男になってしまった」
あぁ、なんてバカな考えをしていたんだろう。
もしかしたら女じゃないかも、なんて考えはどこにもなかった。
気付いてあげられなくてごめん。
お前が男だろうと何だろうと俺はきっと魂に惹かれてるんだ。
今更離れられるわけないんだ。
会えてうれしい。君とまた一緒にいれる。
忍びの三禁?そんなもの関係ない。
なんだったら学園をやめていいし忍者をやめてもいい。
本気で忍びを目指してるやつには申し訳ないが、
俺と──、いや龍之介か。
俺ら二人には"愛"しかないんだ。
切っても切れぬ糸で絡められている。
流れ落ちる涙は気にしない。
むしろこっちに生まれて初めて泣いたのではないだろうか。
今は涙を止めることも無駄だ、と思うくらい
俺は歓喜に包まれている。
君の唇に再会のキスを
← →