「ここ、いいかな?」
四年生になり少したったころ、転入生が来たようで。
食事を取ろうとした私たちの目の前に座った。
「斉藤タカ丸です。よろしくお願いします」
やけに明るい髪の毛。アメリカと戦ったときに
こんな髪色が多かった気もする。
フニャフニャした喋り方だが私の直感が告げる。
こいつは危険、裏がある。
裏、とは敵だという意味ではない。
性格が危険、という意味だ。
こいつは腹黒だと私は思う。笑顔がどことなく黒い。
「私は綾部喜八郎と言いまーす」
「・・・鷲野龍之介」
「綾部君に鷲野君かぁ。よろしくね?」
「よろしくお願いしまーす」
「・・・よろしくお願いします」
「敬語なんて使わなくてもいいよ。僕使ってないし」
「・・・年上ですから」
「年上でも同じ四年生なんだから、ね?」
やはりこの人は腹黒だと思う。
言葉にどこか威圧を感じるのだ。
「・・・わかった」
「はーい」
「僕、昨日ここに来たばっかりで。
案内してくれないかな?」
「うん。いいよね?龍之介」
「いいよ」
この人、何かとありそう。
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