「さすが六年生だ・・・」


滝夜叉丸もそう感じるくらいにすごかった。
私も少し唸ってしまうくらいに。


取る側と取られる側は決まっているはずなのに
それを思わせない攻防。


よく見ているととても高度な技術を使っていることがわかる。


体の全身からありとあらゆる気配を消し、
重さを失くしたように静かに移動し、
体のいろいろな場所に隠し持っている武器を
咄嗟の状況判断で選び時には罠などに使う。


今の私たちにはまだできないであろう動作だ。
最後は時間が長くなってしまったということで
一瞬相手がわざと気を緩めてそのときに札をとる。
という行動を行ってくれた。ゆっくりめだったから
私たちに見てもらうためだろう。そういう気遣いの点では
私は15歳の少年たちに負けていることに気付く。


「では、発表してもらおうか」


発表は各グループの代表一人ということで
滝夜叉丸が発表していた。
先ほど感じたことをありのままに話してくれたので上出来だと思う。


「すごかったね。龍之介」


「あぁ」


「殺しが怖い?」


どうしてこんなことを急に問うのだろうか?
もしかしたら私が変な顔をしていたのだろうか。


「怖くない」


・・・実際人を殺してしまうのは怖くない。
慣れてしまっているから。


・・・殺してしまうことよりみんなが変わってしまうことが


「いやだ」


「殺すことが?」


「違うよ」


「じゃあ何なの?」


「何でもないよ、いこう。喜八郎」


「変・・・」















綺麗なままではいられない。


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